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8050地域情報交換会【2022年2月16日】

町田市木曽にある警備会社「エリア警備」の大橋源代表と社員の高橋和弘氏に参加していただきました。エリア警備では、警備員の中に元引きこもりの方が多く働いています。高橋さんもその一人。長く引きこもった後、エリア警備で警備員として働き、その後社員に登用され現在は、内勤で働いています。

株式会社エリア警備:所在地: 〒194-0036 東京都町田市木曽東1丁目36−12 電話: 042-851-9088

ゲスト:株式会社エリア警備 大橋源.氏・高橋和弘氏

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プログラム
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(1)株式会社エリア警備(大橋社長と元ひきこもり高橋さん)からの情報共有
(2)質疑応答

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エリア警備
大橋代表より
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ひきこもりや高齢者を率先して雇っているわけではない。結果としてそういう方が、働いて継続して頑張ってくださっていたということ。
・そういう方は全てにおいて「必死」で「一生懸命」であることを再認識した。
・平均年齢68歳くらい、全社員80人のうちもとひきこもりの方は7~8人。
・高橋さんは、はじめは警備員として働いていたが、現在社員となり警備員の派遣や手続きなど内勤業務にあたっている。
・内勤社員に「仕事が終わったら帰ってください」とはいうが、警備員はアルバイトなので「帰ってください」とは言わない。現場から戻ったらいたいだけいてもらう。
・現場にでる警備員は日々モヤモヤしたものを仕事が終わった後、事務所で吐き出して帰っている。それができたら次の日は気持ちがリセットされて前向きに仕事ができるようになる。そこを支えているのが内勤職員。
・引きこもりに再び戻らないように、家以外の居場所づくりと味方づくりを心掛けた。
・「言いたいこと」を1人にでも言えればいい。
・自分自身が環境に左右される人間だと自覚している。ここまで人に恵まれたからこそやってこれた自分でもある。現場は辛いことも多い、だからこそ職場内は心を許し、笑いあえる場でありたいと思っている。それが結果的にひきこもりや高齢者の方にも居心地がよいのかもしれない。

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質疑応答
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Q:ひきこもりの方が家から出ると「頑張りすぎかな」と思うことが多々ある。エリア警備では元ひきこもりの方への対応として気を付けていることはあるか
A:「頑張りすぎ」を気にするのではなく「ちょっとでも嫌なことはおきていないかな?」というところ気にしている。頑張ることは仕事上当たり前。

Q:どうして高橋さんを内勤社員に登用したのか?
A:信頼できる人だったし、「社員になりたい」という顔をしていた。
内勤社員は、警備員のフォローをするので24時間365日の仕事のようなところがある。高橋さんはそれが当たり前にできた。それが警備員のバイトさんと内勤社員との違いだなと思った。この会社を立ち上げた人以外にここまで会社に身を寄せて関わってくれる人間はいないと思った。「地縛霊」とも言っている(笑)。

Q:高橋さん以外の元ひきこもりの方はどんな感じか?
A:高橋さんのように朝から晩まで居る人はいない。高橋さんが社内にいることで、受け身でいる元ひきこもりの方が自分から立ち回れるようになっている。8年間の歳月の中で高橋さんの役割が変わってきている。

Q:従業員で元ひきこもりの方は近隣の方が多いのか?
A:現場が多摩地区、町田地区が多いため、そのエリアに住む若者が多い。

Q:求人は定期的に出すのか?
A:警備員が多ければその分受注を増やせるので、警備員はは何人いてもいい。

Q:警備員の仕事とは?
A:だいたいは「誰でもできる仕事だよね」と思われている。今は色々な仕事を経てからの「最後の仕事」と思われているだろう。登録制でいつでも仕事ができるという職場なので、そういう空気感はシニアやひきこもりの人にも気楽さがあったのではないかと思う。

Q:人間関係のトラブルが起こった時どうしているのか?
A:みんな仕事(現場)に対して不平不満はある。企業によっては「お金をもらっているから我慢しろ」というところもある。高橋さんはものすごい「ガス抜き」役をやってくれている。言った方は次の日にすっきりしている。高橋さんがいることがうちの会社の強みになっている。「あの人のこういうところがいやだ」とかを日々聞いているので、その人の特性を生かしたシフトを組むことができているということもある。

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元ひきこもり
高橋さんより
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・エリア警備にで働いて8年。
・最初は全く声も出せなかったので、仕事は全くできない状態だった。
最初は社長から仕事よりも声を出すところからはじめようと言われ、少しずつ仕事を覚えていった。最初にやったのは目にかかる前髪を切ったこと。
仕事をせずただいた時でも、邪見にされることがなかった。仕事が終わったシニアの方と話すこともあり、少しずつ自分の気持ちが変わっていった。
・仕事を始める前は外に出るのが怖かった。今の自分を知り合いに見られたくなかった。
・ひきこもりの原因は、特にない。1日休み、2日休み、ということが続いてひきこもりになった。

Q:8年間仕事が続いた理由は?
A:最初は半日ずつ、少しずつステップアップしていった。今までは全く人と話していなかったが、同僚やお客様と話すことで、いろいろなことが知れて楽しかった。それが少しずつ自信につながった。自分がいてもいい場所があることは、嬉しかった。

Q:職場は高橋さんにとってどんな場所か?
A:「そこにいるだけでもいい」「自分の話をきいてくれる人がいる」「会社が我が家のように感じる」

Q:エリア警備に面接に行く際にどんな気持ちの変化やキッカケがあったか?
A:弟は行かないだろうと思い「弟と一緒だったら行くよ」と言ったら弟も面接に行くとのこと。言ってしまった手前、面接には「とりあえずいこう」と腹をくくった。
面接ではうまく話せなかったが、面接の最後の方に楽しく話せる瞬間があり、「面白そうかな」と感じられた。

Q:内勤ではどんな仕事をしているのか?
A:現場にあう職員のマッチング、シフト作成や面接や研修を実施している。その他はバイトさんの愚痴を聞くこと。

Q:どうして社員になったのか?
A:仲良くしていた人が内勤社員だったから、内勤社員になりたいなと思っていた。

Q:高橋さんが嬉しかったことは?
A:仲のいい仲間と月に数回ダーツをしに行くことが楽しくて息抜きになる。

Q:「引きこもり」という言葉をどう思うか?
A:(大橋さんより)
髙橋さん本人はひきこもり時期を「いい経験だった」と言っているが、今は仕事をしているんだから、そろそろ家族にその想いを返してもいいのではないかとも思う。

(参加者より)
大橋さんと高橋さんはwin-winな関係性になっていると思うが、一般化するのは難しさもあると思う。


(高橋さんより)
自分は家から出るキッカケは常日頃考えていた。今いる場所から逃げ出したい気持ちが強かった。そんな時期にエリア警備に出会えたので、外に出られた。ひきこもっている人にとっての「ちっちゃなきっかけ」は、大切なんだと思う。

Q:今日参加した感想は?
A:(高橋さんより)
2月から緊張しまくりだった。紙に話すことを整理していたが、それを忘れて真っ白になった。
警備に関わらない人と話したのは本当に久しぶりだった。
話しやすい環境だったのでいまはホッとしている。

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参加者の感想
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・高橋さんが面談に「とりあえずいこう」というキカッケがあったからこそ家から出られたように、自分の現場でも外にでる小さなキカッケを作っていこうと思った。

・低学年のひきこもりの子どもが増えてきている。そのまま大人になってしまうケースも増えてくるのではないかと感じている。
その状況の中でエリア警備のように、相手の心を汲み寄り添いながら時間を共にしながら仕事へ定着させている姿に感銘を受けた。

・24時間365日、ある意味高橋さんに居場所を提供しているのが会社だということが発見。家族や施設以外の「居場所」の在り方を感じました。

・当たり前のことだが、互いの存在を認め合うということが、本当に大切なんだなと感じた。


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