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【改元】「平成」、さよならは早すぎる。

「令和1期生」。

4月から新社会人になった私が招待された、同期のライン。

そうかあ、と思った。
私は平成最後の新入社員で、5月からは令和1期生。

自分が「令和」に組み込まれてみて初めて、平成は終わるのだという実感が湧いた。
永遠に思えたわたしの平成。
5月1日の0時を回った時、なんだか淋しかった。

ただ、5月1日の朝起きて、何が変わったわけではなかった。
テレビは「令和、令和」と騒がしかったけれど
それは昨日の、「平成、平成」という文句が4文字の文句が3文字に変わっただけ。チャンネルをオフにすれば昨日となんら変わらない。

わたしは昨日と同じ紅茶を入れて、だいたい同じ量の牛乳をいれた。Amazonからネイルポリッシュが届いたので、塗りながら「令和」について考えてみた。

私たちの生活は、実際のところ、何も変わらない。
天皇制だとか難しいことはおいといても、元号なんぞ、宙に浮いたものに思えた。数日前に想いを馳せれば、平成はすぐに寄ってきた。

改元って必要だったかなあとすら、思えた。愛しき平成。

ただ、同時に気づいた。わたしは平成という枠組みの中で生きてきただけで、ずっと平成を意識したことなどなかった。
自分が平成を意識するよりも早く、「平成が終わること」意識したのに、私は平成と十年来の友のような気持ちでいたのだ。

平成。もしかすると、さよならよりも、初めましてが適切ではなかろうか?

5月1日、午前0時の淋しさは、私が平成の中で生きていた証だった。ただ、それだけ。わたしは平成を生きていただけで、「平成と」生きてきたわけではない。

「はじめまして」の平成と、「令和」を生きていく。
わたしが。わたしの友人が。
平成生まれの、全平成人が。
いつか、平成が「古き良き時代」になったら、こんどこそ「ありがとう」と言いたい。そう思った。

改めてテレビをつければ、いつもの日常にほんのりとさす、年末のようなお祭り気分。

令和の熱に浮かされて、爪にゴールドを足す。

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