欲望ごはん#3〜お寿司屋さんのフライドポテト〜
お寿司屋さんで、フライドポテトが
「お子様向け」の欄に載っていたのだけど迷わず注文した。
お寿司が一皿あたり、一貫しか乗っていない、
どちらかというと高級な部類の寿司屋であったが、そうした。
マグロよりもエンガワが好きであるし、
なんなら一番好きな寿司のネタは蒸し海老ではあるが、
今日の私はフライドポテトが食べたかった。
相方に、「フライドポテト頼んでもいい?」と聞くのは
少々勇気がいることだったが、
彼がそんな私を面白がってくれることも知っていたから。
ちょっとお高い寿司屋に似合わずやってきたフライドポテトは
居酒屋のそれとそこまで変わらなかった。
カゴメの個包装のケチャップが添えられている。
後ろを横切る店員や、横の座席にやってきた家族連れの視線も
一度は釘付けになる。
ちょっとした背徳感も感じた。
「醜いアヒルの子」みたい。
冬の寒い日、暖かい部屋で食べるアイスクリームみたい。
そんなおいしさに今日は誰も勝てなかった。