すべつな~薬草「スギナ」の実力とは
「悪くはない」
ファーストコンタクトの印象はそんな感じだった。
いや、むしろ「上々」と言っても良いかもしれない。
それが、スギナ風呂に入った初日の感触であった。
自分的ルールに則り浴槽に20分程度浸かったほか、髪を洗い、最後のあがり湯までもスギナエキスの入った湯でまかなった。
「スギナは胆石を溶かす」とか「美肌に効果」といった記載を目にしたので、何年か前に出来てそのまま固くなり治らなくなっていた吹き出物の残る顔面や、リンパのつまりを感じる部分は特に念入りに洗い流した。
普段ただの湯でもそんな入り方はしたことがなく、いつもの入浴との効果の違いは実際よくわからない。しかも私には、基本「良い」と言われるとそんなような気がしてしまう単純な面もある。しかしそれでも、何となく「良い」ような気がする湯であった。
翌朝。
異様に目覚めが良く、いつになく頭がすっきり。
目が疲れたりちょっと夜更かししたり疲れが取れていなかったりするとすぐ、目の上や頭や首すじのリンパが詰まった感じがして押すと痛むのだが、前夜重点的に洗い流した首から上がやけに軽く感じたのを記憶している。
いつのまにか固くなり治らなくなってしまった吹き出物に関しては、スギナの湯で洗うこと数回。しこりのようになっていた部分が、回を重ねるうちにつぶれるというか溶けるというか、最終的には塊がなくなり平らになった。若い時のように跡形もなく・・とはいかないが、新陳代謝が正常に行えるからだであれば、傷跡ももっと小さくなるかもしれない。
そしてもう一つ、いつもと違うと感じたのがお通じ。
ゆるくなったわけでもないのに「え?もう終わりました?」というくらい何の苦もなくさらっと排出完了。
日頃それほど丁寧に風呂に入ったりしない私には、それが入浴の効果であるのか、それともスギナと焼酎の薬効なのか、はたまた偶然だったのか、いずれにせよ断言することが出来ないのが残念である。
昨冬といえば燃料費の高騰も続いてはいたが、寒い日も続き、スギナ風呂の習慣も断続的には継続。
以降、初めて入った翌朝ほどのすっきり感を目覚めに感じることは徐々に少なくなったが、お通じの良さ、骨折箇所の冷え・違和感の減少、可動域の回復具合には満足している。
スギナには多くの有用な成分が含まれていて、特に「ケイ素」が豊富なことでコラーゲンや血管、骨を強化する作用があるらしい。
長らく忘れていたにも関わらず、骨折後の今このタイミングで示し合わせたかのように押し入れの奥から、スギナエキスが出てくるとか。人生とは真に不思議なものだ。
骨に良いのなら、当然のように爪にも良い。
スギナ風呂を続けるうちに、いつの間にか爪が欠けなくなった。
私にとってはこれが一番ありがたい効能だった。<つづく>