ナナつばき@読書
これまでに読んだ本の感想です。サクッとしてるので、面白そうな本を気軽に探したい時にどうぞ。
イチ推しの百合・ガールズラブがここにある!
サクッと読める、とある百合カップルの日常を描く短い小説です。 特に順番は無いので、どれから読み始めても大丈夫。
☆おすすめ!『レイアウトは期日までに』 碧野 圭 ・文芸書の装丁や雑誌のレイアウトなど、デザイナーの仕事を通じて女性ふたりが心を通わせてタッグを組む、大人バディ…
『テスカトリポカ』佐藤 究 ・とっても治安が悪い小説。麻薬カルテルが牛耳るメキシコの街から始まり、日本のヤクザ、半グレ、殺人犯など修羅の道で生きる人々ばかりが登…
ライトノベル強化週間。私が書きたい小説はどちらかというと純文学というよりラノベ的な作風になりそうなので、参考のためにガッツリ読むことにした。 『ソードアート・オ…
『銃・病原菌・鉄』上・下 ジャレド・ダイアモンド (著) 倉骨 彰 (翻訳) ・「比較的安全な社会でのうのうと生きてきたヨーロッパ人よりも、厳しい環境で生まれ育った…
『朽ちないサクラ』 柚月 裕子 ・警察組織に属する女性が主人公なので、ホモソーシャルな男性組織にクサビを打ち込む女性の話かと勝手に思っていたけど、そんなことはな…
☆おすすめ!『ここでは猫の言葉で話せ』2巻 昏式 龍也 ・猫、百合、暴力。三拍子そろった百合ラノベ第2巻。 ・この猫作品にはバトルシーンがある!(猫は巻き込まれませ…
☆おすすめ!『ここでは猫の言葉で話せ』1巻 昏式 龍也 ・「かわいい」が詰まった、人が死ぬ百合ラノベ。 ・猫好きと百合好きのための一冊。猫がいっぱいだし女同士の関…
☆おすすめ!『神に愛されていた』木爾 チレン 巨大感情はすれちがう。 ・まだ少女と言っていい年齢で小説家デビューした主人公の女性は、20代になって歳を重ねること…
『オーバーロード1 不死者の王』丸山くがね ・俗に言うなろう系の、いわゆるMMO物。 ・アニメ化されているので知っている人も多いと思うけれど、主人公はガイコツ。魔王…
『「ひとりが好きな人」の上手な生き方』ティボ・ムリス (著) 弓場 隆 (翻訳) ・「内向的なあなたでも社会貢献できます!」という本なんだけど、社会に貢献したくはな…
『海が見える家』はらだ みずき ・劣悪労働環境企業に新卒で入社して一ヵ月で辞めた男性が、南房総で新生活を始める話。いわゆる都会に疲れた人の地方スローライフ小説…
『死刑にいたる病』櫛木 理宇 ・刑事や探偵として事件を追うのではなく、一般人の大学生が死刑囚と協力して事件の調査に挑む、ちょっと変わり種のサスペンス。ハラハラ…
『レーエンデ国物語』多崎 礼 ・(異性愛)恋愛要素もある大長編ファンタジー小説。 ・「王道ファンタジー!」「こんなファンタジーを待っていた!」みたいな宣伝文句が…
全クリしました ADVゲームにこの言葉はあまりそぐわないイメージだけど、便宜的に。『岩倉アリア』の全エンディングと全サイドストーリーを回収、つまりは全クリをしまし…
2024年も半分が終わっちゃう! というわけで、上半期に読んだ本のザックリした感想をまとめました。「なにか本を読みたいけれど、なにから読んだらいいか分からない」…
『キャンセルカルチャー: アメリカ、貶めあう社会』前嶋 和弘 ・「キャンセルカルチャー」というタイトルと「貶めあう社会」というサブタイトルの組み合わせを見て、「…
2024年9月28日 10:54
☆おすすめ!『レイアウトは期日までに』 碧野 圭・文芸書の装丁や雑誌のレイアウトなど、デザイナーの仕事を通じて女性ふたりが心を通わせてタッグを組む、大人バディ百合小説。GL(恋愛百合)ではないが、異性愛要素は無し。・ヒロインのキャラが最高。不器用で素直になれないツンデレで、主人公にホットケーキを作ってもらうと全力で喜ぶ27歳児な可愛い一面を見せる。その一方で秀でたセンスを持つ天才デザイナ
2024年9月21日 12:27
『テスカトリポカ』佐藤 究・とっても治安が悪い小説。麻薬カルテルが牛耳るメキシコの街から始まり、日本のヤクザ、半グレ、殺人犯など修羅の道で生きる人々ばかりが登場する。血と暴力の匂いが立ち込める作品が読みたい人にオススメ。ただし、かなりエグい暴力描写があるので注意。具体的には、腕を文字通り何の比喩でもなく「砕かれる」拷問シーンなど。・文章は三人称多視点で書かれる。複数の登場人物の視点が縦糸と
2024年9月14日 11:26
ライトノベル強化週間。私が書きたい小説はどちらかというと純文学というよりラノベ的な作風になりそうなので、参考のためにガッツリ読むことにした。『ソードアート・オンライン2 アインクラッド』川原 礫・なにかと風評被害を食らっているラノベ。主人公はイキリオタクではない。・ヘテロ(異性愛)もの。1巻の感想はこちら。・今回は1巻の舞台となった「アインクラッド」というMMO世界で暮らす、主人公以外
2024年9月7日 11:12
『銃・病原菌・鉄』上・下 ジャレド・ダイアモンド (著) 倉骨 彰 (翻訳)・「比較的安全な社会でのうのうと生きてきたヨーロッパ人よりも、厳しい環境で生まれ育った東南アジアなどの住民のほうが優れた人間に育ちそうなものなのに、なぜ前者が後者を植民地支配するようになったのか?」という問いから始まる、人類史を包括的に捉える本。・人類史が語られる時はヨーロッパ中心主義になることが多い。しかし本
2024年8月31日 10:39
『朽ちないサクラ』 柚月 裕子・警察組織に属する女性が主人公なので、ホモソーシャルな男性組織にクサビを打ち込む女性の話かと勝手に思っていたけど、そんなことはなかった。主人公が母子家庭で育ったという設定が最初に提示されるので、普段接していない「おっさんなるもの」と渡り合うのを期待していたから、勝手に肩透かしを食らった気分である。それから若き女性職員が主人公なので「警察組織の腐敗を暴く」的なやつ
2024年8月24日 13:06
☆おすすめ!『ここでは猫の言葉で話せ』2巻 昏式 龍也・猫、百合、暴力。三拍子そろった百合ラノベ第2巻。・この猫作品にはバトルシーンがある!(猫は巻き込まれません)・登場キャラがほぼ全員女性で、メインキャラはみんな女好きの女なの最高か。しかもめちゃくちゃ強いのだから申し分ない。前巻の作者あとがきで「『デストロ246』が好き」と明言していることもあり、あの作品の百合×暴力な作風からの影響が
2024年8月17日 11:21
☆おすすめ!『ここでは猫の言葉で話せ』1巻 昏式 龍也・「かわいい」が詰まった、人が死ぬ百合ラノベ。・猫好きと百合好きのための一冊。猫がいっぱいだし女同士の関係性もいっぱいあります。まだ1巻だけど、早くも百合キスシーンがあるのでガールズラブの気配もあり。舌も入れてたことだし。・女子に萌える女子っていいよね。表紙に描かれている主人公が周りの女子達にとにかく愛でられるので、読んでいてHPが回
2024年8月10日 11:32
☆おすすめ!『神に愛されていた』木爾 チレン 巨大感情はすれちがう。・まだ少女と言っていい年齢で小説家デビューした主人公の女性は、20代になって歳を重ねることで「若き小説家」の肩書きを失っていく。そして彼女の前に天才小説家の少女が現れたことで、元少女の心は大きく乱れ始める。本作は、小説家の女性が天才小説家の少女へ向ける巨大感情のお話。 若さで注目された作家は、歳を取ると年齢の面では注目
2024年8月3日 10:55
『オーバーロード1 不死者の王』丸山くがね・俗に言うなろう系の、いわゆるMMO物。・アニメ化されているので知っている人も多いと思うけれど、主人公はガイコツ。魔王城の玉座に偉そうに座っていそうな仰々しい格好のガイコツです。ダークヒーローというかアンチヒーローというか、主人公が「悪」の側という設定の作品。なので好みは分かれそうだけど、少なくとも1巻の時点では普通に人助けをしている。主人公も根っ
2024年7月27日 11:22
『「ひとりが好きな人」の上手な生き方』ティボ・ムリス (著) 弓場 隆 (翻訳) ・「内向的なあなたでも社会貢献できます!」という本なんだけど、社会に貢献したくはないな、べつに。・内向的な人間と外交的な人間は50:50と言われているが、実際の印象は外交的な人間の方が多いように感じる。なぜなら彼ら彼女らは常に目立つ存在だからだ。だけど実際は内向型が人類の半分を占めており、社会貢献もしている。
2024年7月20日 11:34
『海が見える家』はらだ みずき・劣悪労働環境企業に新卒で入社して一ヵ月で辞めた男性が、南房総で新生活を始める話。いわゆる都会に疲れた人の地方スローライフ小説です。・舞台は千葉県・房総半島の先端にある市、館山のあたり。私は掌編小説を書くためのフィールドワークで同じく南房総地域の勝浦に行ったことがあるけれど、のどかで暖かくて景色も良くてご飯も美味しくて、マジで良いところでした。本作も南房総の
2024年7月13日 11:32
『死刑にいたる病』櫛木 理宇・刑事や探偵として事件を追うのではなく、一般人の大学生が死刑囚と協力して事件の調査に挑む、ちょっと変わり種のサスペンス。ハラハラドキドキというよりは、真綿で首を締めるようなイヤな汗がにじみ出てくる作品です。・24人を殺して死刑となった死刑囚から「最後の一件だけは冤罪だ。無実を立証してくれ」と依頼される話。主人公は法学部だけど一介の大学生であり、いくらなんでも荷
2024年7月6日 10:54
『レーエンデ国物語』多崎 礼・(異性愛)恋愛要素もある大長編ファンタジー小説。・「王道ファンタジー!」「こんなファンタジーを待っていた!」みたいな宣伝文句が踊っていて目についた。・・・めちゃくちゃひん曲がった邪推をすると、「本作は王道ファンタジーですよ! 近頃あふれている転生日本人や悪役令嬢なる存在は出てきませんよ!」ということを言いたいのかもしれない。と、思ったり。・「自分の人生は自分
2024年6月30日 06:29
全クリしました ADVゲームにこの言葉はあまりそぐわないイメージだけど、便宜的に。『岩倉アリア』の全エンディングと全サイドストーリーを回収、つまりは全クリをしました。クリア時間は約18時間。 Twitterで私をフォローしてくれている方が気になっているであろうことについて、これから書きます。つまり、本作は百合ゲームだったのかどうか。 ネタバレについての注意喚起を挟んでから、そのことについて書
2024年6月29日 12:25
2024年も半分が終わっちゃう! というわけで、上半期に読んだ本のザックリした感想をまとめました。「なにか本を読みたいけれど、なにから読んだらいいか分からない」という人は、とりあえずこの記事を流し読みしてみましょう。 なにから読んだらいいか分からないなら、なんでもいいから読むがよし。『書を捨てよ、町へ出よう』寺山 修司・60年代サブカルチャーの空気を肌で感じられる一冊。・著者が競馬
2024年6月29日 12:21
『キャンセルカルチャー: アメリカ、貶めあう社会』前嶋 和弘・「キャンセルカルチャー」というタイトルと「貶めあう社会」というサブタイトルの組み合わせを見て、「保守もリベラルもどっちもどっち」みたいなどっちもどっち論の本だと思ったそこのアナタ。安心してください、まともな本ですよ。・現代になって多様性やポリティカル・コレクトネスが推進される一方で、それをケシカランとする保守からのバックラッシ