RIZIN.29 結果を出せ!皇治が勝てない3つの理由
まず、下の皇治選手の写真を見て頂きたい。贅肉を絞りぬいた見事なボディ?とんでもない! 最近撮られたフォトだそうだが相変わらず皇治の右肩が左肩と比較して下がっているように見える。前置き無しで単刀直入に申し上げるが、皇治はフィジカル・トレーニングの内容を見直した方が良い。アスリートとして致命的ともいえるほどの姿勢の崩れを何年も放置したままで、いかにして自らの身体能力の値を上げるつもりなのか、彼や彼のトレーニング・スタッフに問うてみたい。
1.パフォーマンスに悪影響!崩れた姿勢
右肩が下がっているのでなく左肩が上っているという見方もできるが、皇治のボクシング・トレーナーである内山氏によると、彼の一番威力のあるパンチは左のボディブローだそうだ。
オーソドックスに構える皇治のパンチがタメ(距離)を充分にとった右ストレートよりも前手で打つ左ボディブローの方が強いという事実から、右肩が下がっていることの方が深刻な問題であることがわかる。
繰り返すが、後ろ手の右パンチが前手の左パンチより威力が無いのだ。
オーソドックスで構える格闘家としては致命的欠陥だ。
右肩が下がるということは右の肩関節が外側に開いているということだ。逆に左肩関節は内側にきつく締まってくる。こういう左右非対称の現象がおこるのは肩関節および肩甲骨が身体背部にある大筋肉群の影響を受けているからだ。
左右の股関節においても同様の現象が見られる。このことを、わかりやすいように、かなり端折って言うと人間の身体は一方が開くと、もう一方は閉じるのだ。
皇治は左肩関節が内に締まっているので自らの体の前に左腕を出しやすく、さらに左股関節も同様に締まっていることから左パンチと右キックを打つべき土台(左軸)がしっかり出来ている。
逆に右肩は開いているので、彼の右腕は相手のいる前方ではなく自らの体の側面にまとわりつく。皇治のファイティングポーズを思い出してほしい。ここまで肩を開き右腕を体側に密着させていては強い右パンチなど打てるはずがない。
皇治のボクシング・トレーナーである内山氏は均整のとれたアスリートとして理想的な肉体を持っている。それ故に身体に左右差がある皇治とは、その身体感覚が大きく異なる。
同じ右ストレートを打つという動作一つとっても、各々が感じる、その身体感覚は皇治と内山氏とでは全く違うのだ。
100メートルを走るという行為が同じでも、自動車とオートバイでは操作方法が異なるのと一緒である。
このことから皇治が内山氏のボクシング技術を身に付けたいのなら内山氏と同様の身体感覚を持たねばならないのはご理解いただけるだろう。
同じアスリートとして素晴らしい身体をもつ総合格闘技の朝倉海選手は内山氏と近い身体感覚を持つ。ゆえに彼は内山氏の教えるボクシング技術の習得も早いのだ。
人間の姿勢が崩れる要因はさまざまだ。先天的なものであったり生活習慣、それと頑固・我慢強いなど性格的なものすら重なり合っている場合が多い。
崩れた姿勢を矯正するには、身体各部分が特定の動作に対していかに連動して動くのかを理解して、それをクライアントに再現して見せることの出来るフィジカル・トレーナーが必要である。
一例をあげてみよう。皇治は右ストレート自体が打ちにくく、しかも各部が連動して動かないので威力も出せない。なぜ、そうなるのかをトレーナーが自分の身体を用いてビフォーアフターを再現して見せるのだ。この再現性がなければ何を言っても単なる絵に描いた餅である。
そして皇治も、自身の姿勢が崩れていることを自覚して、それがパフォーマンスに、どのような悪影響を与えているかを自分の身体を通して知る努力を怠ってはならない。それが、たとえ先天的なものでも後天学習で補える部分も多くあるのだ。
おそらく、私がタイプする以下の内容については皆さんの理解が得られない、または細かく区切られた身体パーツが意識できないという可能性が高いであろうが解かる人には解る。故に秘匿性のあるオリジナルの理論ではあるが勿体ぶらず、ここで公表することとしよう。
姿勢が崩れる原因は、身体の特定部分の意識が抜け落ちていて、そこに全く力が入らない、もしくは他の部分と連動して動かないことなのだ。
少々、説明が面倒臭くなってきたが、要は下記の意識が薄れているであろう身体部位に意念を込めることができれば皇治の姿勢は矯正される可能性があるということだ。
すでに脳に認識されなくなった身体部位に意念を込めていく作業は一種のリハビリである。それは簡単なことではないが、パフォーマンスは確実に向上するので試す価値はある。
筆者は還暦間近だが、姿勢作りに長く取り組んでいるからか、その身体能力は10代時を上回る(あくまで本人比)当時できなかった格闘技やストリートダンスの技術は全てマスターできた。そして現在は健康で自己肯定感に満ち溢れている。だが決して強くはないのだ。
ここで勘違いしてほしくない部分がある。それはパフォーマンスが向上することが強くなることとイコールではないということだ。格闘技の強さは主にメンタルの強さと比例する。
それは相手を躊躇なく殴ったり蹴ったりできるという一種異常な精神状態を肯定することを前提にして育まれるものである。しかし土台となる身体能力の底上げに真摯に取り組むことによって、さらに強くなる可能性は高まることだろう。
皇治の身体意識が薄れている部分はココ
1.下半身
① 右足裏の母指球から土踏まずを通ってカカトに至る内側部分
② 右内腿全体(股関節が外に開き過ぎのため内側感覚の欠如)
③ 右膝(左膝と比較して屈曲し過ぎている可能性あり )
④ 左股関節(内に閉まりすぎのため外に開く意識の欠如)
2.上半身
① 左肩甲骨周辺(左肩を内に締めすぎて筋肉群がコリ固まっている)
② 右肩関節前部(右肩を前に出す意識の欠如)
上下肢の連動
① 左肩甲骨周辺と右内腿(脚から生まれた力を右腕に伝え左軸で止める!)
このことを誰か、皇治に教えてあげて下さい。
2.相性は最悪!白鳥大珠に壊される
一回戦の相手である梅野源治選手はもともとが肘打ちで相手の額をカットして勝ってきた選手。なので手の平を相手に向けた、その構えからして既にパンチが打てる状態にない、肘打ちに特化した構え方である。
今回のキック・トーナメントは肘打ち無しのルールで試合が行われるので、皇治は実績では格上の梅野が相手ではあるが無難に判定勝ちすることだろう。
ただ、ムエタイの世界では頂点を獲った梅野がスタミナ温存を考えず、1Rから左ミドルを全開で蹴ってきたら少々ヤバイ展開となる。皇治の右腕は3Rを待たずに使い物にならなくなるだろう。
それでも皇治は根性でパンチを振り回すだろう。RIZIN29は彼の大会。皇治が太いスポンサーの方々にさまざまな支援を賜って実現したという経緯がある。一回戦で消える訳にはいかないのだ。
そして迎えるトーナメント決勝には間違いなく白鳥大珠選手が上がって来る。白鳥は以前、皇治がなす術もなく敗退した神童・那須川天心より、さらに殺傷能力の高い危険な相手である。
まずは白鳥と皇治との間にある圧倒的なリーチ差があげられる。サウスポーで構える白鳥の右ジャブが皇治に当たる距離は、皇治の攻撃は何一つ白鳥には当たらないのだ。
攻撃力の違いも圧倒的だ。フルコンタクト空手仕込みの多彩な蹴り技と国際式ボクシングのプロ時代に磨きをかけたパンチテクニックなどは全て皇治の上をいく。
さらに強豪揃いのRISEガチ・ワールド・シリーズで優勝している白鳥は実績面でも皇治より格上となる。それでも皇治は根性でパンチを振り回すだろう。一夜限りのキック・トーナメントのためにRIZINがチャンピオン・ベルトをこさえてくれたのだ。これを白鳥に譲っては皇治軍団のみんなに顔が立たない。
皇治はRIZIN29開催にあたりスポンサー集めに奔走し大会を実現に導いた功労者であるが、キック・トーナメントで白鳥に勝てると思っていること自体、見通しが甘いとしか言いようがない。
私は、皇治が格上相手に根性丸出しで立ち続けることによって、頭部に深刻なダメージを被るのではないかと危惧しているのだ。
3.サウスポー相手には致命的!皇治が倒れない秘密
武尊、那須川天心というキックボクシング界の2TOPと闘い、さんざん殴られながらもKO負けを免れた皇治は『絶対、倒れない男』『不倒王』とマスコミから呼ばれているそうだ。
皇治が倒れない理由をここで明かそう。
それは大きく下がった彼の右肩にある。試してほしい。この姿勢をとると頭を右に倒しやすく、さらに首が右回りしやすくなるのだ。このため皇治はオーソドックに構えたファイターの右パンチを顔面に喰らっても頭を右にひねって衝撃を簡単に和らげることが出来るのだ。
逆にサウスポーが放つ左パンチに対して首は左に回転しにくくなる。文字通り、これがネックとなり衝撃をまともに受けることとなる。これが皇治がサウスポーに弱いとされる要因だ。
オーソドックスやサウスポーなど決まった構えで長期間練習した真面目な選手ほど、このような身体の歪みが顕著に出る。
これの応急処置としては、右の大胸筋と三角筋が交差する部分に意識をこめることだ。そうすると右肩は上がり、そして首の位置を初めとして全身のバランスが変わってくる。
その後の全身バランスの微調整がやっかいな代物で、ここで失敗すると元も子もなくなってしまう。まぁ私は彼のトレーナーではないので、これ以上の言及は差し控えるとしよう。
しかし、これだけ崩れた姿勢を放置したままの状態でハードトレーニングに挑まなくてはならない皇治をただただ不憫に思う。
姿勢が整えば彼のパフォーマンスは必ず向上する。さすれば根性論に頼ら無くとも勝利の女神を引き寄せることができるのだ。
タイプ終りの雑感
なんやかんやタイプしましたが皇治には勝ってほしいものです。
私は根性論が大嫌いなのですが、これだけ無理ゲーさせられたら、
さすがに皇治の根性に頼らずを得ません。
梅野源治と白鳥大珠はキックボクシングの世界では武尊や那須川天心に匹敵するラスボス格。その二人の相手を一日でやる可能性があるのです。
RIZIN運営からしてみれば、人気の高い皇治かビジュアルの良い白鳥大珠のどちらが優勝しても構わないのでしょうね。このチャンピオンベルトを見て下さい。
『ワシがRIZINのエースじゃあ!』と言わんばかりの見事な押し出し。しかし、金と人を呼び込んでRIZIN29でキック・トーナメント開催にこぎ着けた皇治に私は肩入れしてしまいます。
皇治自身は竹やりを武器に自動小銃と相対するつもりで試合に臨むことでしょう。武器が全く効かない相手に一体どう立ち向かうのか。そこには根性論しかないのです。皇治の気持ちを考えると、あまりにも切ない、このキック・トーナメント。
それでも私は精一杯あなたを応援します。
試合観戦後に思うこと
リーチ差のある梅野選手・白鳥選手相手には距離の稼げる右スローイングパンチが有効ですが、皇治の身体特性上必ずバッティングするんですよ。ここまで私の文章を読んで下さった皆さんには、ご理解いただけると思います。
右スローイングパンチは普通、カウンターパンチや相手とのバッティングを恐れて自分の頭を左に傾けながら打ちます。ところが前述のように皇治は左肩関節および左股関節が内にきつく閉まっています。
だから右スローイングパンチを打った時に頭が左に傾かないので相手に真っすぐ頭が突っ込むのです。股関節が開かないと頭の位置は変わりませんからね。
このように身体特性上、頭が傾かなければ前足の踏み込み位置を少し左にずらすだけでバッティングは回避できます。ド素人のワシに分かることが何故プロの指導者が分からんのか?これを理解せず放置したトレーニング・スタッフの責任は大きいと思います。
皇治はフィジカルおよび戦術面をサポートしてもらうために各々専門職を雇っています。彼らの責任もファン&スポンサーの皆さんは考慮されたほうが良いですよ。
だって全く成果が出て無いんだもん。
一連のバッティング論争について
那須川天心選手が『バッティングを避けるのも技術』とSNSで発信し、それに対して被害者である梅野源治選手が異を唱えたのに端を発した感のある、この不毛な論争。
なかでも加害者である皇治選手へのSNSバッシングが凄まじく、そんな彼のメンタル面を危惧した魔裟斗氏が皇治を励ます意味で発した一連の発言に、白鳥大珠選手や天心パパ那須川会長が反応して、もはや収拾不能な状況となっている。
騒動を巻き起こした当事者である皇治は当初から自らの非を認め、一番の被害者である梅野源治に謝罪し梅野も、それを受け入れたことによって騒動は一旦収まったハズなのだが…。
この騒ぎによって一番損をしたのが誰あろう白鳥大珠、その人である。RIZINキック・トーナメントを圧倒的な強さで勝ち抜いて優勝した、その実力は流石としか言いようがない。
ただ、皇治のバッティングを非難した彼のマイク・アピールによってRIZIN29が締まらない大会となったのは残念としか言いようがない。
何故なら、あなたは大会のトリを飾ったキック界の王子様である。
そして あなたは、那須川天心ボクシング転向後のRIZINキック部門のエース候補筆頭なのだ。ファンは誰も凡人のリアクションなど求めていない。浮世離れした王子様の振る舞いが見たいのだ。
そのルックスと実力は誰もが一目置き、憧れの境地に達している白鳥大珠。
あなたに足らないのは皇治の大応援団をも取り込み、そして気持ちよく帰宅させる器の大きいコメントと、悪質な反則であるバッティングについて、あえて言及しない強靭なメンタルなのだ。
現在、格闘技界で最も影響力のある那須川会長が皇治のバッティングと、それを擁護するような魔裟斗発言についてSNS上で強く非難していることから今後、皇治がRIZINのリングに上がり続けることは難しいかもしれない。
今回、新たな因縁ができ、そして自分よりも遥かに知名度のある皇治をTV中継&大観衆で埋まったRIZINの舞台で豪快にKOし、白鳥大珠の名を全国区にするチャンスは二度と来ないかもしれないのだ。
コロナ禍で白鳥の対戦相手探しも難しい昨今。これを大損と言わずして何と言うか。
written by 7th street
END
ご支援賜れば、とても喜びます。 そして、どんどん創作するでしょう。たぶn