オランダの歴史【Part6: 近世前期】百年戦争とスペイン領オランダ
Hoi! みなさんこんにちは!
今回はオランダの歴史、近世編に突入します!
かなり長編になってきましたが、ここからがより面白いところですので、ついてきてくださいね。
※Part1~5の記事は目次から記事最下部まで進み、リンクからご覧ください。
前回までのおさらい
前回は12世紀から14世紀のネーデルラントと、その周辺で起こった出来事についてお話ししました。ざっくりと振り返ると、
12世紀:12世紀ルネサンス
13世紀:モンゴル帝国最盛期
14世紀:ペストの流行
が時代のハイライトでしたね。そして、ネーデルラントでは14世紀中ごろにフック・アンド・コッド戦争という内乱が起こりました。14世紀終わりごろには、フランスのブルゴーニュ公によってネーデルラント一帯が統一され、海運と貿易が発達してきました。
では、この後から百年戦争の流れを一緒に見ていきましょう!
1339年~1453年 百年戦争
時代は少し前回と被りますが、14世紀の中ごろから1世紀という長い間にわたりイギリス王とフランス王が争った百年戦争は言及せざるおえません。オランダにとっても大事な出来事なので少し詳しく書きますね。
発端
1337年、イギリス国王エドワード3世がフランス王位の継承権を主張して、当時フランスを治めていたヴァロア朝のフィリップ6世に挑戦状を突きつけました。
※これはあくまで王位継承を巡った家同士の争いであり、国同士の戦争ではないことを念頭に置いてください。
経過
前半:イギリスの優勢
1356年のポワティエの戦いでエドワード黒大使が活躍し、イギリス軍が勝利しました。ここで落ち着くかと思いきや、黒死病(ペスト)が欧州中で流行、農民の反乱も相次ぎ、社会不安は増大しました。社会不安が増大すると戦争は収まるどころか長期化の一途をたどります。
後半:フランスの内乱、イギリスのオルレアン包囲、解放
戦いが長期化し、フランス国内では内部分裂がおこり複数の派閥が生まれました。そんな中、イギリスはその派閥の一派であるオルレアン・アルマニャック派の拠点であり、フランス中部の要地でもあったオルレアンを包囲します(1428年)。
イギリスが優勢かと思われましたが、ここで一人の少女が登場。
神のお告げを受けたとされるフランスの少女、ジャンヌ・ダルクです。彼女がオルレアン解放のために立ち上がり、市民を率いて奮闘した結果、翌年に見事オルレアンは解放されました。
この後、フランス軍は反撃に転じ、シャルル7世は正式に即位することができました。当時フランス国内の多くの土地はイギリス領となっていましたが、最終的にフランス軍は1453年にフランス南西のギエンヌ地方の中核、ボルドーを占領しフランス領土からイギリスの支配地はほとんどなくなりました。(カレーを除く)
終結後:ハプスブルク家の台頭
百年戦争のあと、1477年にブルゴーニュ公シャルルはフランス王国からの独立を図り、ルイ11世と争いましたが、フランス側についていたスイス軍も巻き込んだブルゴーニュ戦争に発展。シャルルは戦死してしまいました。
実はこの出来事が起こる少し前、シャルルの娘マリアはハプスブルク家の王子、マクシミリアン1世と結婚していました。そのため、シャルルが戦死したあと残ったブルゴーニュ公国の土地はハプスブルク家のものとなりました。
その土地には現在のベネルクス三国(オランダ、ベルギー、ルクセンブルク)あたりが含まれており、ますますハプスブルク家の勢力は増していきました。
こうしてネーデルラントはハプスブルク家の領土に入り、マクシミリアン1世の孫のシャルル5世はネーデルラント内で生まれました。
1504年
ハプスブルク家の王、スペイン国王即位
ネーデルラントを継承したハプスブルク家の男子がスペインの王女と結婚をしました。すると、ちょうどこのタイミングで王女にスペイン王位継承権が巡ってきて、夫であるハプスブルク家の男子がスペイン国王に即位しました。
(ハプスブルク家の領土がまたたく間に広がっていきますね、、)
この二人の息子がスペイン国王カルロス1世=神聖ローマ帝国カール5世です。この息子が相続した土地はスペイン、ネーデルラント、それからオーストリア+αにも及ぶ広大なものでした。
カール5世退位後は、オーストリアはカールの弟であるフェルナンドが継承し、スペインはカールの子フェリペ2世が継承したので、ハプスブルク家は、オーストリア・ハプスブルク家とスペイン・ハプスブルク家に分裂しました。このときネーデルラントはスペイン・ハプスブルク家に入ったことでスペイン領となりました。
今回はここまで。主に百年戦争の話となってしまいましたが、まだ国というものが成立しきっていないので、頭を整理するのが大変ですよね。次回は宗教戦争、オランダという国の成立など、これまた盛りだくさんの内容になりそうです!
それではまた次回、Tot Ziens!