川越観光 | 7◎3
ぽつ、ぽつ。大粒の雨が降りだしてくる音。
もうすこしで春がくるらしいと人々がささめく週末のこと。
川越の菓子屋横丁は火事にあってたてなおされたらしい。横丁と横っちょは関係しているのか。道を横っちょに入ると横丁がある。
雨粒が店脇の小さな堀の水にぽつりぽつりと輪を作る。金色の鯉が泳いでくる。うな重のタレのにおいがしてくる夕方。うな重は食べずに団子を食べる。
原宿にあるといういちご飴がここにもある。横目に見ながら、心は、いも恋に惹かれている。いつでもほくほくのおいしいさつまいも饅頭。横に並ぶはさつまいもソフト。これまたおいしい、のども潤う。
いつのまにか雨は止んでいる。人力車に乗る者、大型犬を連れて歩く者、着物を着て歩く者、大人たちは川越観光を楽しむが、子どもたちはバスに乗りたいと言い、スマートに駅に帰る。
団子は50円で、いも恋は200円。食べ歩いて食べすぎだと思ってもこんな少ししかかからない。菓子屋横丁で駄菓子でも買えば満足度はさらに上がるだろう。
駄菓子屋で、お会計のときにお金が足りないと言う子供を見た。レジのおばちゃんがやさしく声をかけながらお菓子を減らして持っているお金に合わせて量を調節してあげていた。
こうやってお金の価値をまなぶ子供がこの世にまだいたのか、と驚く。街の駄菓子屋と違って、清潔感のある新しい駄菓子屋。自分の子供がお年玉をもらったときには、最初にここに連れてこようと心に誓った。
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