たびのはなし②
タイのチェンマイに滞在した時であった女の子とその後。
始めてのバックパック、東南アジア周遊。最初は友達と2人でスタートだった。途中で分かれて、チェンマイは一人旅だった。
そこでたくさんの人に出会ったけれど、そのうちの1人に同い年の女の子のバックパッカーがいた。
この旅初めての、一人旅している同い年の女の子だった。
彼女とのチェンマイでの出会いはとても嬉しかったけれど、その後の度重なる偶然の方がもっと嬉しかったし、びっくりした。
名前は教えたけれど、電波がなかったので、あとでFacebookで友達になろう(こういうところが現代。)って言って最後別れた。
私はフルネーム漢字で教えていたけれど、そういえば私は彼女の下の名前しか知らなかった。
でも待ってもリクエストは来ず、ああ、このまま繋がれないんだろうな、やっぱ旅は一期一会だな、なんて思ってた。
でもびっくりすることが起きた。
数日後、Facebookで驚くべき光景をみた。
私を追うような日程で東南アジア旅行をしていた友人の写真に、彼女が一緒に写っていたのだった。
まあ、今考えれば、大学一年生の春休み、バックパッカーデビューする大学生は多いし、行く宿も似てるだろうしそんなに驚くことではないかもしれないけれど。
しかし、その後、さらに驚くことが起こった。
昨年の冬ごろ、突然彼女からFacebookにメッセージが届いた。(友人の写真にタグ付されていたから彼女のアカウントを知った)
私は個人的に細々とブログを書いている。その文章を読んだ彼女が、私がきっと気に入ると思うといって、彼女自身も気に入っているらしい本を紹介してくれたのだ。
突然でびっくりしたけれど、すごく、すごく嬉しかった。突然の連絡も、私の文章を読んでくれているということも、彼女の好きな本を知れるということも全部が。
人の好きな本を知るというのは、なんとなく相手の心情や考え方に触れられる気がして、私はとても好きだったからなおさら。
そして本を開いてさらに驚いた。本は今はもう亡くなった方が生前書いたものをまとめたエッセイだったのだが、筆者の学生時代の下宿先が私が住んでいる駅だった。知っている店でアルバイトをしていたらしい。
しかも、私が一番行きたかった早稲田の出身。
ちなみに、私の住んでいる場所は本や映画のロケ先になるようなことは決してない。ただ、早稲田の学生が書いたエッセイだから、ここが取り上げられただけである。
いろいろな偶然が重なって、本当に驚いた。こんなことがあるのか。
そしてその筆者というのはバンドのandymoriのメンバーの姉だそうだ。私は音楽にはめっぽう疎いこともあり、彼女から聞くまでこのバンドは知らなかった。しかし私の仲の良い友人の中にはこのバンドのファンがたくさんいた。
不思議な縁でした。