初めてNSTを受けたら、子が人間らしく生きていた 出産アドベントカレンダー #13
妊娠中の検診
妊娠中には、計16回くらい検診に通う。
妊娠 初期〜23週:4週間に1回
妊娠24週〜35週:2週間に1回
妊娠36週〜出産:週1回
というふうに頻度が増していくが、お産が近づくにつれて少しずつ内容が増えたり減ったり変わってくる。
先日の、妊娠37週目の妊婦検診で、NSTというものを受けた。
NST(ノンストレステスト)
胎児の心拍と子宮収縮の度合を20~40分測り、出産時に赤ちゃんが元気に外に出てくる体力があるかどうかをみる。
おなかに吸盤のようなセンサーを2つ付け、やわらかいベルトで固定される。
少し上体を起こした姿勢でベッドに寝て、安静にして待つ。
手にはボタンを携えていて、途中で胎動を感じたら、ボタンを押す。
その間、ベッド横にある機械で心拍や子宮収縮の推移が印刷されていく。
機械で計測している間、胎児の心臓の音も聞こえる。
毎度の検診ではエコー検査で心音を一時的に聴くことはあったが、20分以上も「ゴゥンゴゥンゴゥン・・・・」という音を聞き続けて様子をみるというのは初めてだった。
胎動が・・・あんまりない?
赤ちゃんが動いていない時の胎児心拍は125前後と出ている。「胎動を感じたらボタンを押してください」と説明はあったが、始めて15分ほどしてもあまり赤ちゃんが動いた感覚がない。
しばらく観察していたが、音が一定リズムでゴゥンゴゥンゴゥン…と鳴っているのとベッド脇の窓から日差しが注いでいたこともあって、なんだか眠くなってきた。
・・・うたた寝していたら、看護師さん(か助産師さん)がやってきた。
(計測中は別室でモニタリングしていると伝えられていた。)
「赤ちゃん、寝ているみたいなので、これでちょっと起こしますねー」
看護師さんの手にはボタンを押すとブゥゥーと鳴るマッサージ機のようなものがあった。
「え、赤ちゃんを意図的に起こすことができるんだ?!」
とちょっと驚いた。
看護師さんはお腹にこの装置を当てて、細かい振動をお腹に送った。
電気ショックみたいな感覚だったらどうしようと思ったが、そんな刺激的なものではなく一瞬だった。
「これで赤ちゃんは起きてくると思うので、もう少し様子をみますね。胎動があったらまたボタンを押してください」
と言われ、再度観察が始まった。
胎児が動くと心拍も速くなる
しばらくすると、本当に赤ちゃんは起きたようで、胎動を感じ始めた。ボコボコっと感じた時に何回かボタンを押した。
胎動を感じたときには、胎児心拍が150を超えるくらいに速くなっていた。
面白い。元気に生きてるなぁ。
当たり前といえば当たり前なのだが、ちゃんと寝たり起きたり動いたりしながら子がお腹の中で生命活動をしていることに、人間味を感じて可愛く思えた。無理やり起こさせたようでごめんね、とも思いながら(笑)。
あれ、計測されなくなった
ところが、少し大きめの胎動を感じてからボタンを押し、モニターを見ると、胎児心拍が計測できなくなっていた。数値がでなくなり、何らかのエラー表示のように赤く点滅している。
すると助産師さん(または看護師さん)がやってきて、
「ちょっと見てみますねー。取れちゃったかな?」と器具を確認していた。
「赤ちゃんが右側に来ちゃったみたいですね(笑)。センサーを貼り直しますね」
どうやら子が起きたあとに、左側にあった胴体が右側に変わったらしい。
お腹の中で寝返りを打ったような状態。
左側につけていた心拍計測用のセンサーを右側に付け直してもらうと、、
おぉ、エラーが解消されて心拍の計測が再開された。
またこれにも「子が生きている感」を感じて、むしろ面白いというか可愛いと思った。センサーが付いているのがちょっと不快だったか、寝返りを打って落ち着きたかったのかな、という想像をしたりした。
NSTの結果
計測中は寝ていて動かなかったり計測不能になったりと少し長めに観察したが、結果は実際のところ
「赤ちゃん元気そうですねー、特に問題はなさそうです」とのことだった。
こうやって書き残して、ところどころ我に帰って思うのは、
やはり何ヶ月も体内で生命を宿し、その動きを感じることになるので、いつの間にか子に対してけっこう愛着が湧いてきていることに気づく。
超音波検査で子の顔がかなりはっきり見えたとき、やっぱり感動して「可愛いなぁ」と思い、ちょっと涙も出た。
もちろん人によって感覚は違うと思う。妊娠中から必ず子に愛着が湧くとも限らないと思う。
私は胎動を感じ始めた頃は「お腹が意図せずゴロゴロするのでちょっと不快」と思っていたこともあった。
今でも胎動があると痛かったり血を取られている感じがして身体的に気持ち悪い感覚はあるが、
「子が生きている」という事実がわかる現象が増えてきてから、嬉しいとか可愛いとか、幸福感を感じるようになった。
こういうことを重ねて少しずつ母親になっていくのだろうか。
妊娠がわかっても、まだふわっとしていて自分事として捉えられない時期もあったが、いくつかの体験を経て貴重で有難い人生経験だと改めて思う。
それでは!