意思決定のための「分析の技術」(後編)
意思決定のための「分析の技術」(後正武:著)のうち、第五章~終わりまでの内容メモです。
前編はこちら。
序章より
・分析の基本は、「大きさを考える」、「分けて考える」、「比較して考える」、「時系列で考える」の四つ →前編の内容
・そのバリエーションとして「バラツキを考える」、「プロセスを考える」、「ツリーで考える」という工夫 →後編に含まれる内容
5.「バラツキ」を考える
統計学の立場と経営の立場
・現実世界でのバラツキの意味合いと数学的な意味合いは異なる 例)40点未満は赤点で留年、463点以下は不合格
→経営でも現実世界での「意味合い」が重要
・経営において必要なのは「現状をより正しく理解して意味を読み取る」「そのバラツキをいかに活かすか、どう利用できるか」「マネジメントとして、バラツキに対してどのようなディシプリン(規律・秩序)を持ち込むべきか」
二元のバラツキ
・軸を「二元に分けて」検討するとよい
・「時系列を考える」と「比較して考える」を取り込んで「バラツキ」を示すことも可能
法則性を発見する
マネジメント・インプリケーションを読み取る
BDP-ベスト・デモンストレイテッド・プラクティス
・経営に資するために得るべき情報を考えた分析が必要
・BDP:もっとも優れた、証明されている実例
・基本姿勢:まずは平均より悪いところを平均並みにし、次に平均並みのところを手順を踏んで上方に引き上げる
ウィル・ツー・マネージ
・経営しようとする意思/意欲 c.f.マーヴィン・バウア、マッキンゼー
・マネジメント・バイ・エクセプション(例外の管理):「通常のあるべきバラツキの範囲を超える部分」を正しく管理することによって、全体が正常に保たれることが多い。
6.「過程/プロセス」を考える
・「思いつきの対策と実行」「要因の正しい分析を欠く打ち手の連発」をやめよ。一見正しく(あるいは部分的には正しく)見えてもオーダー・オブ・マグニチュードが合わない、など。
プロセスを追って因果律を考える
・「プロセス」を追うことでMECEな分析が可能になる
→「必ず」その原因となる事象に突き当たる
→その事象のプロセスを追い、原因を分析する
・フローアウト・アナリシス(流れ分析)
・スループット・タイム(全体通過時間):流れの全工程を通過するためにどれだけの時間がかかるか
漏れ分析(Leakage Analysis)
・「アウトプット(結果)」と全体との関係を「漏れ」の過程ととらえて、その過程を追って要素別に「漏れの要因/改善の機会」を考える
・シェアの漏れ分析:「シェア20%の内訳は?」「残り80%をとりにいくには?」
戦略とビジネス・システム
・ビジネス・システム全体を眺めて、KFS(成功に欠かせない要件、Key Factor for Success)、レバレッジポイント(全体成果にきわめて有利に作用するポイント、あるいはどこかをわずかに改善するだけで、全体が見違えるようによくなるポイント)を整理し、それらを含むビジネス・プロセス別の自社の資源配分の状況(強さ・弱さの状況)を正しく理解することが、当該製品・事業戦略を立てるうえでの条件
・フィックス、バランス、リデザイン
・各工程ごとの機能が十分か、無駄なコストがないか
・前後の工程間の物流や業務の流れのバランスに注目し、相互の最適な組み合わせを見出すことによって、システム全体としての最適設計を図る ex.生産と販売の関係
・既存のビジネス・システムを前提とせず、最終アウトプットのみに着目してまったく新しい視点でゼロ・ベースから最適ビジネス・システムを設計する ⇔内部の最適化を図るフィックス、バランス
7.「ツリー」で考える
・ロジック・ツリー
・イッシュー・ツリー
・業務ツリー/テーマ・ツリー
・デシジョン・ツリー c.f.モンテカルロ・シミュレーション
8.「不確定/あやふやなもの」を考える
・戦略立案のプロセス
課題の設定→現状分析→診断→解決案の検討(選択肢の設定と評価、絞り込み)、実行プログラム策定
9.「人の行動/ソフトの要素」を考える
・人の課題=不確実性、多面性、主体性をふくむ
人の課題を考える分析の手法
1)枠組みの工夫
2)事実を把握するための工夫
3)あらゆるソフトな情報を動員する工夫
4)データや情報を効果的に用いる工夫
5)先人の知恵や諸学問分野の成果・学説などを活用する工夫
・マズローの欲望階層説:高次な欲求ほど満足させたい、すでに充足した欲求はさらに刺激してもそれ以上人間の行動を左右する決定的な効果を期待できない
10.コンサルタント能力の全体像と分析の位置づけ(省略)
(読後メモ)自分の理解不足もあるとは思うけど、前編(4章まで)のほうが濃かったというか、学びが多かった印象。 前編は実践的で、コンサルじゃない自分も今後意識しようと思った。
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