理系のMBA 周囲との対話に注意が必要な時期(1年経過)
前回はこちらから(時系列で書いており、単品だとわかりにくいかも)
そろそろ2年目のMBA過程が始まろうとしている時期ではないでしょうか?業務多忙な中、社会人学生として両立されている方も企業派遣や会社を辞めて新しい領域に挑まれた方も1年間お疲れさまでした。この1年間、真剣に取り組まれた方は、新しい考える軸をきっと得ていることだろう。そこで、自身の経験を踏まえて心がけたら良いのではと思うことをポストする。
周囲の普通との違いを理解
事業や財務についての知見が深まることで、これまで理系のシーズ発想とは異なる視点や事業を考案した際の分析から新たな洞察が得られたりしているのではないだろうか?この洞察は、もちろん、表出させ、共有し、形式化の流れをたどり、事業強化や企業力の向上につなげることが重要となる。ここで考えるべき重要な視点が、コミュニケーションである。皆さんが、当たり前として使用する(しているであろう)重要な概念、例えば、情報の非対称、現在価値などの言葉が通常の会話であふれてきている場合、少し気を付けることを勧めたい。特に理系人が多い職場では。
MBA通学前を思い出して
「人は変化を嫌う」と言われていることを小耳に挟んだことはないだろうか?これは、人間の生存本能から変化を選好しないように作られ、農耕文明でそれが強化されたように推察している。ここでの「変化」は、理系人は自分たちの研究開発に全身全霊で取り組んでおり、その成果の一部であるシーズの良しあしが事業を左右すると信じている。しかし、すでにMBAの世界に足を踏み入れた理系人からすると、それらのシーズが「顧客の行動変化を促せるか」、「市場での競争優位を築けるか」、「投資は回収に資するのか」などなどを直観的に考える事だろう。そこで、今まで一緒だと思っていた理系のMBA人が、分からない言葉を連発し、そもそもやる意味ありましたっけ的なちゃぶ台返し議論をしてしまうと、せっかくの良い提言も日の目を見ることなく埋没してしまうだろう。そんな時は、発言する前に、言葉の調整が意外と重要である。
とはいえ、積極的な実践応用を
コミュニケーションに十分に気を使ったのであれば、どんどん知識を使って、意見を出していくべきであろう。理由としては、そもそもそういことがしたくて学業を開始したのであろうし、多かれ少なかれ通学のために職場にも迷惑かけているため知見を還元すべきであろうし、学んだ知識は実践しないと上達しないしからである。私が通学している際には、部下から学校が忙しくて仕事ができないんですかという嫌味を言われたりもしたが、学習した知識を用いて企業の意思決定や事業を良いものにできれば、きっと周囲との関係も良くなってくると信じで、積極的に実践応用をするべきであろう。
おわりに
人間の集団は同質性を好む傾向が強いと思う。その同質性に配慮しながら、学習効果を十分に発揮することで、組織内での価値も高まってくると考える。まとめると、配慮はするけど遠慮はしない、という姿勢が良いかと思う。
雑多な所感的なポストになってしまったが、少しでも多くの理系人が、MBA的な知識をつけて、両利きの人材として日本の企業や社会を元気にしてもらいたい。次回は、おそらく困難の中にいる方もおられるであろう、職場や家庭との距離感などについて雑感を書いてみたい。