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願ったならば

851 文字

「地球さ~ん 早く回って~」

 と私が願ったならば

「分った」

 と頷いてコクンといきなり回ったならば、未だ太平洋の真ん中にいる筈の、朝日と呼ばれる太陽さん目をむくかしら。
 私も Σ(゚Д゚)ビックリ、太陽さんもっとびっくりするわね。

「何驚いて要るんですか? 速く回れと言うから、首を縦に少し頷いただけなんだがな~」

「あらっ 地球さんの首ってあるの ?」

「あるに決まっていいますよ、失礼な事言わないで下さい、水に隠れているだけです」

 5時半の空の雲はちょっと不気味、南から北へ伸びている、どうしても写メ左が頭に見えてしまう。
 太陽が昇って来る訳ではない、沈んで行く訳でもない、その様に見えるだけ、足元の大地が回っているだけ、と屁理屈、これは夢がないのだろうか ? と思いながらの今日の朝、5時半でこの明るさ、明日はもっと暗くなっているだろう。
 そして、秋の日は釣瓶落とし、と言われる様になる。
 鶴る瓶も今では殆どの方は見る事がないのだろう、桶を深い井戸にポッチャ~ンと落とす、何故かドキドキワクワクした。
 今では姿を消してしまった井戸(まだある地域もありますね)、この井戸から沢山の物語、怪談話、ホラー映画もあったような気がするけど確かではない。
 江戸川乱歩の物語の中にも井戸が出没していたわよね~と思い返して、彼の作品は只々、単純に面白くて、次から次へと探して読んだ。
 題名は全く記憶の外野席、色んなストーリーがごっちゃになっているかも知れない、江戸川乱歩先生には大変失礼なのだが、致し方ない。
 随分年数が過ぎてから エドガー・アラン・ポーを漢字にして作家名にしていた事を知る事となった。

 空気中の冷え方が激しくなるにつれ、空・太陽・雲の競演は日増しにうっとりと見入る事になる。
 こうして見ていると、朝焼けも夕焼けもさほど変わらない気がする、映像には微妙な色は写らない、小さな画面には感情は反映されていない、その感情を写し込む事が出来るのはカメラマンさん達なのだろうな~と思った今日の朝でした。
 


#エッセイ

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