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店員さんよ~

 東に長方形の人工衛星ピカッと、空の中央南寄りに半月神々しく南岸低気圧の微塵も残さず静かに暗い空が広がり、人の造りし物体が星の如く輝く。
   宇宙が造りし奇跡に会いたしと弱い風が通り過ぎる。
 
 人のお家の玄関硝子ばり寒さをしのぐ着ぶくれ心が叫ぶ、硝子に映りし私は何者 ? ほぼ楕円に見えてその上にちょこんと口から上が映るが、髪の毛が風で爆発・・・私は何者ぞシクシク、ヨヨと心が思いしなびた茄子。

 朝お弁当作りおサボリ決め込み るん! ムムッ 今日の占い当たりかハズレか ? 
 僻地の出勤途中にはたった一軒だけあるコンビニ、昔は色んな働く所あり人も沢山いたんだよとお爺さん懐かしそうに話していた。
 数件の商店も高齢になりお店を畳んでしまい食事処が一軒、そしてコンビニ一軒がこの地域のお年寄りの買い物を支えている。
 コンビニの前に車停め扉を開けアルコール手にまんべんなく塗りたくり、マスク着用と常に流れ自動ドアは開けたままの店内は寒い。
 見ない様にしてレジを伺い シクシク 今日もハズレー プスンと何かの空気が抜ける、いらっしゃいませ~の声など気にしていないけど、接客業ならば常識が・・・そそくさとお弁当手に持ちレジへ、コンビニカード、トレーに出すがバーコードが見えぬと手で裏返せの支持あり裏返す。
 早口で何か言っているが聞き取れず聞き返すと、睨まれて「現金」と一言が返って来た。
 現金の言葉が大きい思わず「現金で」と答える。
 手荒くお弁当袋に詰め込まれ「温めますか」の声は後ろ向きで言われたが、聞こえたので「いいです」と断り居心地の悪さに早く遠去かりたいと心がジタバタする。
 有難うございました・・の声はゴモゴモとようやく聞こえる程で、あちらを向きながら仕方なく声を出している風に感じる。
 あまりにも酷い対応の悪さに知り合いに聞いてみた。
 この地域では有名な家族らしくコンビニの社長背に腹は返られず働いて貰っているが、お客様激減と頭を抱えているらしい。
 年々人は減り続けあすこの大きな家はお爺さん一人で居る、こちらもそうなのよ、見渡せば何処もかしこも一人暮らしの老人世帯ばかりが多い。
 いずれは限界集落となるであろう地域がこの他にも数えると切りが無い程存在している現実に空を見上げてしまう。 
 そんな地域は人手不足、若いお人達は本当に少ない、そして子供も少ない、たまに見る数人の幼稚園児の黄色い帽子が目に沁みる。
 

 

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