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ヒメジオン
お姫様の名前ね、響きも心地よく透き通る朝の空気のような名前なのね、ヒメジオン。
花の大きさは2センチ程、背丈は160センチ程になる。
可愛いと思い花瓶に入れると、次の日には散ってしまい、掃除が大変、微かな風に細かい花粉やら花びらが散乱してしまう。
野に咲く殆どの花は長くは咲いていない、次の世代の為に
「ようやく咲けたわ、早く種にならないと仲間が増えないからた~いへん、今年は雨ばかりなのね~ 風が吹いても遠く迄行けないわね」
「あら、ヒメジオンさん我儘よ、私なんか昨日変な機械が来て、ホラ〜この通り伐り倒されてしまったわ」
「あ〜ごめんなさい、イネ科のお姉さん、本当に残念だわ、私達走って逃げる事出来ないから悔しいわね」
「そうなのよね~、カリカリに枯れる前に急いで種にしないとなのよ、私は結構試練に強いと思うのよ」
「そうそう、その試練の為に私の子供達は小さく出来ていて、ちょっとやそこらでは見付からない、カモフラージュしているのよ」
「あら、いいわね、ところで何に似せてカモフラージュしているの ?」
「えっ・・・えっと〜 ゴミ・・かしら・・」
「ゴ・ゴミ ❢ ゴミは可哀想だわ、せめて〜何がいいかしら(笑)」
「風の妖精がいいわね、気を付けて見ても見えないでしょ、イネ科のお姉さんは蝶々の妖精がいいわね」
「蝶々は目立ち過ぎるわね、なんでもいいわよ、近くに土さえあれば、なんとか上手くやって行くわよ、子供達はきっと私の様にたくましい筈だもの」
「そうね、たくましいわね、きっと」
と、いうような会話をしているかも知れない、夏の日のヒメジオン、一輪の花に朝日が当たり花びらが白く光っていた。