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ドラマ『地下鉄道〜自由への旅路〜シーズン1』
2021年5月14日からAmazonプライムで配信スタートしたドラマ。シーズン1は全10話。
南北戦争以前の19世紀のアメリカが舞台。ジョージアの農場で奴隷として働く少女コーラが自由を求めて過酷な人生を生き抜く姿を描いている。コルソン・ホワイトヘッドの同名の小説を元に製作されたドラマである。
今まで様々な差別をテーマにした映画やドラマなどは多々あったが、私が一番共感したのはこの作品だ。とても残酷で苦しくて、自由を求める冒険心があって、ロマンティックな気持ちになった。そして、ショックを受けた。
このドラマでは当時の状況を極力リアルに再現している為、劇中で白人が黒人に対して「ニガー」と呼ぶシーンが多々ある。近年の作品ではまずありえないことなので驚いたが、忠実に再現するとはそういうことなのだと思う。
肌の色や姿の特徴は違っても、同じ言葉を話す人間に対して、こんなにも残酷な仕打ちが何故できるのか疑問に思う。差別する側は当たり前だから、それが普通だから、何も考えずにそうしているかもしれない。当時の常識は今だったら完全なレイシストで、忌むべき存在になっているだろう。
普通の人の怖さを感じる作品である。
差別を描いた他の映画やドラマでいつも感じるのは、普通の人の当たり前の常識が一番残酷で怖いと感じる。普通の人は基本的には真面目で優しい。しかし、常識の範疇から外れた存在にはとことん冷酷だ。このドラマにもそう感じさせるシーン(実際には状況を説明した台詞)があって、ゾッとした。
まだシーズン1でこれからまだまだ続きそうなラストだったので、シーズン2もとても期待できる。映像も演出もクリアで美しく、当時の情景も美し再現できているので、Amazonの製作者の意気込みを強く感じる。
衝撃的なシーンや描写も多いドラマだが、地下に張り巡らされた鉄道や駅の様子は冒険心をくすぐってワクワクできるのも確か。また、過酷な環境下での恋愛描写もスリリングでロマンチック。
お勧めの海外ドラマである。