帰路
家へと車を走らせる
仕事を後ろに置いて
夜道と流れ行くライトの中
真実へと近づいている直覚
自身が知り得る最大限
私自身の真実の近似値
まだ言葉で表し得ない
感覚でのみ分かる真実
そうだ私は虚構の中にいた
精一杯虚構の世界の私になりきり
精神のどこかを知らず削りながら
虚構のルールと解釈した
思い込みに自身をあわせ
評価のぬかるみの中で
もがいて右往左往する
もう慣れたとうそぶいてみても
やはり慣れていないと思い知る
いつか心が崩壊してしまうのだろうか
生きながら夢の中にいるような
嘘と私をつなぐ道を駆け抜けて
よく知る風景にたどり着き
ああここだと夜を眺めやる
あとはただ夜風と猫の世界
もう真実を掴む必要はない
これ以上の言葉は蛇足
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