商業捕鯨の目的は何だろうか？

朝日新聞の社説で商業捕鯨拡大が取り上げられていたので、一本記事を書いてみようかと思います。

（社説）商業捕鯨拡大　疑問残す不透明な決定：朝日新聞デジタル

社説で指摘されているように、ナガスクジラを新たに捕鯨対象に含める見通しとなっていますが、その決定は結論ありきの感は否めません。
今回に限らず日本の捕鯨、あるいは農業などを含めても、先に結論があって理由を後付けするような場面が目立つように思います。

日本は国際捕鯨委員会を脱退して商業捕鯨を再開しました。であれば、これまで以上に透明性を確保し、疑念を持たれないようにする義務が日本政府にはあるはずです。
もし透明性確保を怠れば、日本の捕鯨への風当たりは更に強くなるでしょう。国際捕鯨委員会では認められなかったが、商業捕鯨は可能だということを示し続ける必要があります。

社説では財政支援と商業捕鯨の継続性についでも疑義が呈されています。
何のために捕鯨を続けるのかというのは、非常に重要な部分です。「商業」としての捕鯨を重視するのであれば、鯨肉の消費拡大策を示す必要があるでしょう。
また、財政支援を続けるというのであれば、それ相応の理由を説明する責務があります。食料確保のための財政支援自体はそれほどおかしなものではありませんが、捕鯨という選択肢を維持し続けるだけの理由を示さなければ、捕鯨関係者のためだけに垂れ流しているとの批判は免れないでしょう。

私は必ずしも捕鯨に反対の立場ではありません。鯨の刺身なども好物の部類に入るかと思います。
それ故に関心ももっているわけですが、捕鯨を続けられるのかどうかは政府の真摯な対応にかかっていると言っても過言ではないでしょう。