【5月の編みlog】嵐の後の紫陽花ブルーとエジソン気分
はじめに
どう見てもザッツ6月気分のバナーですが、
5月の編みlogで合っています。
2024年も中間地点。
無気力エイのダウナー泳ぎと
ペンギンの不倫状態をチェックしに
水族館に行きたくなる
爽やかな季節になりましたね。
皆さんいかがお過ごしでしょうか。
◈これまでの編みlog◈
◈先月号◈
◈新作編みレシピ◈
◈直近の番外編◈
◈直近の自由研究◈
カピ子の詮無き近況ですが、
引っ越しの時期が近づいてきたため
重い腰を中腰程度に上げて
やむを得ずのっそのっそと
準備を進めています。
……無論進捗ダメです(´ω`;)
エントロピーの法則により
産み落とされし混沌の極みが
渦巻いていますわい、わい。
並行して4末からスタートした
短期集中(?)ダイエットも続行中。
現時点-5kgですが、
目標まであと3㎏という微妙な進捗です。
悪の勢力の悪あがきはいつだって
長くてしつこいと決まっていますゆえ、
一歩進んで五歩下がるワルツの日々です。
三拍子のぐぬぬ。
ダイエットの姉御女神様の
気まぐれご加護があれば、
今月中ゴール達成も
夢じゃないところまで来ましたが、
何せスクワット10回で営業終了となる
ポンコツであるため
調子に乗らず、粛々と平身低頭に
頑張っていく所存でございます。
ダイエットの無事終了を祈って
コツコツと振り返り記事の
下書きを温め中です。
……とまあ地味なバックグラウンド
マルチタスクありの近頃です。
カピ子は生来マルチタスクが苦手で、
微妙な形の縛りプレイが地味に重なると、
プレッシャーで気が焦るためか
疲れるばかりで行動も判断ものろくなり、
次第にサイレント蟄居冬眠状態に進行し、
仕舞いには海底岩に溶け込む見事な
カモフラージュのぬぅ~とした
表情を無くした深海魚の
省エネモードに移行するのです。
追われると
何もできなくなるわけです(´ω`;)……
省エネモードで使わなすぎて
言語中枢までとろりと溶けそうですが、
編みlogをまとめて参りたいと思います。
スクエアinスクエア
スクエアinスクエアとは、
ふと作ってみたいと思い至った、
こういう感じの柄のことです↓
裏話という名の蛇足駄弁り
大小二つの四角からなる
シンプルなモチーフですが、
図形バランス、サイズ感、
穴を作らないこだわりなどを
すべて実現するために、
悲しいくらいに
泥くさい試行錯誤を
心折体験とともに
ひたすら繰り返していました。
不器用とは恐ろしい。
ぐるぐる思考脳内拷問マスターの
わたくしなので、
目の前の挑戦をゆったり楽しんでいても、
頭の中はお構いなしに阿鼻叫喚、
いつもの、特大メガ盛りやめて。
という分かる人にしか伝わらない
大変さがありました。
いつもの通常運転ですが。
……あれですよね。
説明しようとするだけで
ポエムになりますよね。
しゃくですね。
脳内拷問に登場する
惨めさを掻き立てる記憶で作られた幻影は
立ちのぼる燻りスルメの香りのようで
いつまでもどこに逃げても
こびりついて消えない
特殊な苦しさがあります。
偏頭痛のように襲ってくるそれは
the storm to passのイメージ。
どうにかできるわけもなく
ノックダウンされてヘトヘトに。
いつものように無様に殴り倒され
幻の裏路地に転がっているとき、
ふと懐かしきあの夜のファブリーズを
思い出しましたので、
自分にシュッシュッとかけておきました。
あの夜のファブリーズとは、
遠い昔の大学時代、
たしかいつものように
都合の良い補欠飲み仲間として
飲み会の途中に呼ばれた
五反田っぽい街の荒んだ路地にある
ニューオープンの焼き鳥屋さんの
何げないワンシーンのことです。
あの頃は
常に脳天が殴られて
目の前が真っ暗になっているような毎日で、
ねずみ色の粘土のように
モラトリアムを引き延ばして
一層粘土になればいいと
願っていました。
その中で、
とにかくやかましくてニヒルな
ザッツ大阪人の先輩から
いきなり呼び出されては、
哀れに尊大、中身皆無で小気味だけはよい
謎理論の講釈を副流煙とともに
浴びさせられることくらいしか
ただで酔いを買える
アテがありませんでした。
あの時も今も飲みの席の
話の内容が一ミリも
思い起こせませんが、
安酒で粘りに粘った
焼き鳥屋さんを退店したとき、
なぜかバイトリーダーの綺麗なお姉さまが
店の外まで笑顔で見送るついでに
手際よくわれわれ全員を整列させ
流れるような一連の動きで
ファブリーズをテキパキシュッシュと
サービスしてくれた光景だけ
妙に残っています。
「はぁい、次かけたい方! シュッシュッ」
ちっとも残らない飲み屋の話も
副流煙も焼き鳥の匂いも
どこか幼稚園児の気分になりながら浴びる
煙った夜のお姉さんのファブリーズも
私には御利益あるお香のように
何かによく効いているようでした。
又吉直樹『火花』で描かれる神谷さんって
さまざまな度合いと差分を持つだろうけど
大阪に遍在している
何かの集合的ペルソナなんだろうなー
という感じの鈍痛のような懐かしい確信が
私の中にはあります。
とまあこんな調子で思い出から
ファントム・ファブリーズ・シャワーを
一頻り浴びてハッと気づくと、
現実側の自分の口の中は鉄の味ではなく、
ほんの少しのエジソン気分でした。
イメージ時点でなんとなく
「行ける気がする」と、
そう考えるわけでもなく
ただなんとなくそう感じるとき、
積み上がる失敗や錯誤を
確かめても
「これはダメってことは
あれをあーしたらどうなるかな」と
なぜか次の検証目標が出てくるとき、
「うまく行かなかったやり方」を
確かに積み上げていくその過程は
間違いなくイメージに導かれた
正解に近づいていく過程でもありました。
「正解はそう遠くない!」
「犯人はこの中にいる!」という
よくわからない確信がふんわりとあるとき、
思いつくすべての選択肢の中から
一つずつ外れを確かめて除外していけば、
そのデータの集積が自ずと軌道修正し、
正解へと収束し、
奇妙に見えるか地味に見えるかはともかく、
最初に発想にもなかった「答え/真実」が
姿を現わすようです。
知らんけど。
嵐の夜をいくつも通り過ぎたら、
次の駅で途中下車をしよう。
青い酸素から滴る奥行きが
肺の空洞を満たしてくれるよう
雨後のあじさいのあからさまなブルー、
或いは透明を滲ませた沈黙が
四方八方から迫り来るのを待つ。
作り方
駄弁りが完全に妙な語りとなり
あまつさえポエムで
終わってしまって無惨ですが、
謎テンションのがたまにあって
いいとしましょう。
正気を戻しまして、
時間はかかったものの
めでたくイメージしていた通りの
スクエアinスクエアができたことを
ご報告します。
編み方については、
当社比丁寧懇切に別記事にまとめましたので、
注釈つき編み図まで完全無料ですので
興味ある方はどうぞご覧ください。
無限キューブ
知育玩具の無限キューブとは
8個の立方体が特徴的な法則で
つながっているもので、
ぐるぐると転がしたり回したり
広げたり閉じたりしていれば
どこかで面がなんとなく揃ったりと
無限に遊べるイメージのあれです。
無限キューブは珍しくはないはずですが、
見たら「あーあれね」となるような認知度で、
子どもの頃からみんな与えられて遊んでいたか
といわれると微妙、というような
認知度、立ち位置かなと思います。
折り紙などでも簡単に作れるので、
お家遊びのアイディアとしては
かなり優秀です。
で、立方体8個あればできますので
スクエアinスクエアを48枚編んで
作りました。
8個くっつけた完成品の
大きさには気をつけています。
大きすぎると遊びづらいので、
柄が成立する前提で、
ギリギリまでスクエアinスクエア
一枚のサイズが小さく収まるように
工夫しています。
やることは簡単で、
まずは6枚ごと1立方体にします。
強度命なので、
モチーフを繋げるときは
一切冒険せずオール細編みです。
(親戚のお子さんから
純粋な命の欲動から迸る
破壊力がいかなるものかについて
度々教訓を得ているので……)
それから、無限キューブに限らず、
すべてのあみぐるみを作るときと同様に、
中身の綿の量の調節に気を遣います。
完成状態を想像しながら、
少しずつ詰めて都度確認を挟めば、
パンパンになるまで綿を詰めて
手触りや見た目が残念になる事態を
防げるはずです。
特に無限キューブのように、
複数のあみぐるみパーツを
組み合わせてつくるパズル系作品は
各パーツ間の綿の量のムラや
詰めすぎがあると、
最悪の場合「一つになれない」問題が
発生して悲しくなりますので、
愛と節度を持って気をつけたいですね。
No!綿詰めメンヘラ!
ゆとりとやさしさを!
あとは無限キューブのになるよう
慎重につなげていきます。
ネットに折り紙での作り方を紹介する
分かりやすい動画やブログがたくさんあり、
ありがたく参考させていただきます。
完全に見よう見まねで
法則を特定するとなると
私のような空間想像力難民は
砂漠遭難していたことでしょうアリガタヤ
無事繋ぐことができました。
遊び倒しましょう。
画質がまともなフル尺動画は
インスタにてご覧いただけます(* ᴗ ᴗ)⁾⁾↓
https://www.instagram.com/p/C7v5CjiuN6c/
ちなみに、
無限キューブと似たような雰囲気で
パーツを組み立てる系の知育玩具で
過去にパズルボールを
作ったことがあります。
パーツは菱形と円錐のみです。
初期作品のパズルボールについての
裏話が収録された編みlogはこちらです↓
いかがでしたでしょうか。
ひとつ確信を持って
断言できることがあります。
それは、作る側がかかったトータル工数と
遊ぶ側が飽きるまでにかかる時間(秒数)が
エグいくらい違うということです!(え
最近の作業のお供編
最近編み物作業中に
摂取したエンタメコンテンツですが、
5月初旬にしばらく
ドハマリしたミステリードラマ
『キャッスル』シリーズ8シーズンを完走。
あれほど人気でずっと
毎話毎話がよく出来ていて
ハイクオリティの連ドラが、
まさかの視聴率低下予算不足で
最後の最後に打ち切りエンドで
終わる衝撃から立ち直るのに
少し時間がかかりました(´・ω・`)
傷心を癒やすためなのか、
気づいたら昔未履修の
「トリック」シリーズを
アマプラで見まくっていました。
癖がつええわ(最高です)
「お前らのやったことは
全部すべてまるっとお見通しだ!!!
スリスリスリ ゾォオオオオオン!」
放送当時はまったく見ていなかったので
今更語り合える仲間が
見つかるわけないですが。
ちなみにシーズン3くらいに登場する
無色透明で即死に至らせるという
ふざけんなロシアの猛毒「ゾスロコ」が
めちゃくちゃ心に深く刺さってしまい、
APTX4869に次いで人生のお気に入り
架空毒物になりかねない勢いです。
ミステリー以外で、
原作を持っているのに読み進めなかった
『リリィ、はちみつ色の秘密』映画版を見て
予想していた要素と全然違う展開で
ボロボロに泣きました。
一見人種差別時代の話ですが、
あくまでもそれは時代背景で、
少女、シスターフッド、自然と農場、
母の愛、大いなる愛、愛の中で成長、
友情や信念、死の受容、
教養芸術信仰が豊かな暮らしなどなどが
ビーズのように美しくつながった
美しい作品でした。
主人公リリィという少女は
ひどく魅力的なキャラクターで、
彼女は
周りからどう扱われていようが、
自分の脆さや罪の意識に
どう苛まれていようが
自分が大切にしているものや
信じるものを守る
揺るがない強さを持っていました。
素直で優しい心と自立した精神で
幸せをひたむきに求め引き寄せる
リリィの姿勢や対人スキルから
気づかされることや
憧れる点がたくさんあります。
生家や一族に居場所がなく
理解されない異質な子、
根無し草が故郷を捨てて遠い異邦にある
真の故郷に戻っていく
「みにくいアヒルの子」的な話が
とても好きです。
終わりに
5月は以上でした!
いつも見守ってくださり
ありがとうございます。
来月以降引っ越しで多少忙しくなる関係で
もう少しペースが落ちるかと思います。
やってみたい、
やり方研究してみたい
楽しいアイディアは
どんどん溜まっていっているので、
落ち着いてくる秋頃に
少しずつ手をつけていくのが
今からとても楽しみです。
それではまた!