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趣味と言ってしまった手前

 春から入社する会社の同期の顔を、リモートの画面越しにしか知らなかった。男性の方が多いので、3人しかいない同期の女性陣は、お互いに顔を覚えやすかったと思う。それでも、1度だけ開催された新入社員の集まりで時間ギリギリに席に着いたあの子は、思ったより背が高かった。

 内定をいただいてから、気軽に集まれない私たちを気遣って、人事の人がリモートの集まりを開催してくれたのは良かった。トークテーマを設けて会話を回し、それなりに笑いを交えながら自身のパーソナルな話もしてくれた。前日からトークを磨いたんだろうなと察する。ただでさえリモートは疲れるのに、初対面同士の新入社員ちゃんに1人ずつ話題を振るなんて、なんてカロリーの高い仕事だ。退出してからのため息まで聞こえてきそうである。

 趣味はスノボということにしていた。嘘じゃないけど、年1〜2回が相場という量産大学生程度である。ESにも書いていたが、面接で触れられることはなかった。
「結構飛んだりとかするの?」
「いや、そんなジャンプとかはできない笑」
「自分の板とか持ってるの?」
「いや、持ってない笑」
趣味と言ってしまったので、必然的にこのラリーが増えてしまった。初対面なんだから尚更だ。幸か不幸か、他に趣味にしてる人も雪国出身もいなかったので、ハードルが上がってしまっている、気がする。

 とはいえ、今季は過去一スノボに行けてて嬉しい。大学5年間の平均を上回って4回は行けそうだ。行くたびに思うことは、回数こなさんと上手くはならんなぁということ。あとは怖いもの知らず精神。年上のボーダーが滑走していく動画を見漁りながら、精神だけでも若くいたい。来季はマイボード買うぞ〜

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