ひとり旅日記エアーズロックへ3日目:朝日鑑賞→登ってしまったエアーズロック
2019年7/11 エアーズロック
4:30am起き。ってか、寒くて途中目が覚めたし。掛け布団?タオルケット??ベッドカバー???みたいな頼りないもの+シーツみたいなカバーをかぶって寝ても寒い!身支度して、ホカロンお腹に貼って、キッチンへ。バナナスライス+ヨーグルトをレンチン30秒、リンゴとハーブティ。「どうぞご自由に!」コーナーにホカロン発見!背中にも貼って、6amのバスを待つ。
バスに乗り込んで6:30am過ぎには朝日鑑賞エリア到着。本日の日の出時刻は7:10amとの事。ドライバーのおっさんの英語は訛りが酷くて、聴き取りに集中してもダメだった…。ってか、マジ寒い。朝陽が出て、その光がエアーズロックに当たって赤く染まるのを見るのが目的らしい。ってことを現地でしばらく眺めた後に気付いたという…。ドライバーのおっさんにこの後どこで降りるか聞かれたから、マレ駐車場でお願いした。ここがエアーズロック登り口。
今日は無風。もしかしたら、今日いきなり登れちゃうワケ?ドキドキしながらバスに乗り込む。8時前にマレP着。もう既に登ってる人たちが︎!マジでもういきなり登れちゃうの?ドキドキした。落ち着く為にトイレへ。トイレからPに戻る時、目の前のエアーズロックをやっぱり登ってる人たち。今年の10/26を以って永遠に登れなくなるのを知ったのは去年の秋くらい。高校の地理の先生が登ったって話を聞いてから20年くらい経つ。世界遺産ウルル・カタジュタ。登れなくなると知らなかったら来なかっただろう。登れなくなる理由は、アボリジニーのみなさんの強い願いから。
登り口の隣に看板がある。登らないで欲しいというアボリジニーの声が数ヶ国語で書かれてる。問いかけてる。迷うが、決めたから来た。アボリジニーのみなさん、ごめんなさい。登らせて頂きます。登り口入口を一歩入り、手を合わせて一礼して登り始める。
鎖があると聞いてたが、その鎖までかなりあるぢゃん!鎖までの急斜面で一瞬怯んで、「ムリィ︎」と叫びそうになって、諦めようかと真剣に思った。諦めたら、一体何しにここまで来たのか?四つん這いになって(スパイダーマンか?と思った)、涙出そうなのを堪えて、急斜面に這いつくばって、なんとか鎖を掴めた。
鎖。低めに垂れ下がってて、頼ると腰にくる。聞く所によると。現在地46度の斜面だとか。直角三角形の45度より急なのね…。ゼェゼェはぁはぁもイイとこ。途中途中立ち止まって、呼吸整えて、腰伸ばしながら進む。前を行くティーンエイジャーの後ろポッケに差し込んでたペットボトルが落ちて、ものすごい勢いで上から転がってきた。とてもじゃないが、キャッチできなかった。その子のお母さんが「あとで拾いましょう」と言ってたけど、エアーズロック登る際のルール「1人1Lの水持参で登るように」を無視してないか?
かつて、こんなに急などこかを登ったことがあるだろうか?ギネスブックに載ってるらしいダニーデンの世界一急な坂はこんなに苦しくなかったぞ?今日も自分との闘い。一歩足を前に出すたびに「ガンバレ、自分」と心の中で自分を励まさずには登れなかった。それにしても、小さい子供や明らかに体重オーバーの人もよくここ登ってるよな…。
登ってる途中で、下りてくる人がいる。マジで?来た所からしか戻れないワケ?「ムリィ!」な急斜面、どうやって下りんだよ?ダメだ。登り切ってもいないうちから、下りのことを考えるのはやめよう。今目の前の瞬間に集中しろ。
鎖エリアがやっと終わった。斜面ではなく、岩の上部を歩く。鎖部分がてっぺんまでの1/3の行程らしい。あと2/3ね。細くなってる道、アップダウン、急な下り斜面…。てっぺんまでまだまだ続く。これはやっぱ修行だと思った。そして、一生に一回だからできることだと思った。てっぺんに行ってみせる。この思いだけでやっとたどり着いた。
てっぺんの目印はどの方角になにがあるっていう金属製の円盤。さすがにてっぺんは風吹いてる。富士山9合目突風で滑落しかけたのを思い出して、身が引き締まった。自然を甘く見てはいけない。もう気が済んだ。下ろう。でもひとりじゃ心細い。誰か自分の先を歩く人いないかな〜と思ってたら、タイミングよく歩き出した父息子がいたからついて行く事にした。
途中の、自分もハードだと思った急斜面で、日本人女子が立ち往生。彼女の後ろは渋滞。上から「こっちから行けるよ」と父息子に声を掛ける男性。自分もちゃっかりついて行って、その男性と前を歩くお父さんに助けてもらって、なんとか上に上がれた。ありがとう。
さぁ、戻ってきました。鎖エリア。ホント、膝に申し訳ない負担。かなり小またで一歩ずつ着実に下りる。鎖ナシエリアは重心をかなり後ろにして、ちょこちょこ下りるしかない。ここも集中力が不可欠だった。下りるにつれ、ウワサのハエが増えてくる。昨日の空港からのシャトルバスのドライバーが18度でハエが出てくると言ってたのを思い出す。てっぺんは風もあって、ウインドブレーカーとヒートテックでちょうど良かったけど、地上が近づいてくると、暑くなってきた。
やっとこさっとこで下りきった。ケガもなにもなく、自己責任で無事に終われた事、何より登らせて頂いたこと、アボリジニーのみなさん、気象条件、あらゆる事に感謝した。近くにベンチで着込んでたものを脱ぐ。セーター、湿っぽい…。
次のバスは11:20に来る。1時間弱待つことに。トイレ近くの屋根の下にあるベンチに移動して、今下りてきたエアーズロックを眺めながら、ナッツを食べた。昨日スーパーで買った、エナジーミックスっていうナッツで正解。
バスに乗って、次はカルチャーセンターで下車。アボリジニーの文化を知ることができる施設。写真NG。興味深かったのは、彼らの食文化。あのイモムシは、濃厚でナッツの様な味との説明文。いつ体験できるんだろ…。ワニ、カンガルー、エミューは食べたことあるんだけどね。蜜をお腹に溜めたアリを彼らはそのまま口に含むとの事だけど、蜂蜜みたいな感じなのかな?色は似てるけど。アリが集める蜜も花からなのかな?そこまで詳しく説明してなかったけど。
施設内にアボリジニーアートのお店が。なにか欲しい!ってか、今まで何度もAUSに来て、ここまで彼らの作品を売ってる所はなかったよな…。木の実らしきものに色をつけたキーホルダーを買うことに決めたが、色の組み合わせがどれも可愛くて、1つに絞れない。レジのお兄さんが、自分が厳選した5個を右手と左手に隠して、どっち?と聞いてくれたから、右。もう一回やって残ったのと最初ので、最後のどっち?も右。自分がなんとなく、コレかな…。と思ってたやつだったから、それにした(笑)。
お兄さんが、もうひとりのお店の女性に「自分で好きな組合せで作れたら面白いよな」と言ってたから、「それなら迷わないで済む!」と伝えた。この施設では、アボリジニーの女性たちが実際に絵を描いているのを見ることができた。こういう観光地で、見世物の様に描かされてなきゃいいけど。アートギャラリーも併設してた。1枚数千ドルする素晴らしい絵もあった。そういやジミー大西も豪州で絵の修行してなかったっけ?なんて、どーでも良い事思い出した。サンドイッチ弁当食べながら、バスを待つ。ってか、明日からサンドイッチ弁当なくても良いかも。その分荷物減るし。
宿に戻って、紅茶入れて、外のベンチでぼーっとする。昨日20:30に寝たからか、頭のスッキリ度も心の晴れ具合も、日本にいた時と比べものにならない事が嬉しく、wifi繋がらないから、純粋に空の青さ、木々の色、鳥のさえずりを感じながら、安いティーバッグの紅茶だけど、この紅茶を味わう幸せも噛みしめた。忙しいは心を亡くすとはよく言ったもんで、5-6月の睡眠時間は5-6時間の日々で休みもあんまりなくて、疲れ果てて、顔は険しく、心は荒んでたな…と振り返る。やっぱり休暇は大事だ。って、当たり前のことをしみじみと実感した。
宿泊施設にある土産物屋で時間をつぶして、夕日のエアーズロックを見るのにまたバスに乗った。今日のサンセット時刻は18:10。朝陽に照らされるエアーズロックより、夕暮れの方が美しくて好きだな。
って、夕日鑑賞から戻ってきたら、キッチン激混み!料理番組みたいにみんな必死になんか作ってる。こりゃ調理無理だ。スープというか、塩分摂りたかったからネギスープ作った。ネギ多めのぶつ切り、ニンニクすりおろしたのを鍋に入れて、ひと煮立ちさせて、例の中国海鮮醤油で味付け。温まった。陽が沈むと一気に冷え込む。シャワー浴びながら洗濯して、21時前に寝た。明日も4時半am起きだから。