[水族館レビュー] 宮島水族館 みやじマリン 2023/08/04訪問
お久しぶりです。夏休みということで、水族館巡りをしていきたいと思います。今回は中国地方と北海道です。
冬のレビューとは構成を変えて、順路に沿って全部の展示を紹介するのではなく、見所を絞って解説していきたいと思います。文章を読むのがめんどくさい!という方は目次の「写真集」のところから見ていただくことをオススメします。
具体的な構成は
・基本情報
・順路構成
・見どころ紹介
・個人的に良かったポイント
・写真集
・総括
となっています。筆者自身が伝えたいことはきちんと書きつつ、水族館についてあまり知らないという方にも気軽に見ていただけるようなレビューを目指していきたいと思います。
それでは、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
基本情報
営業時間 9:00~17:00(最終入館16:00)
入館料 おとな1420円
アクセス 宮島桟橋(フェリー)から徒歩25分 or バスで10分
公式HP
館内にはスナメリをメインコンテンツとして、瀬戸内海に生息する生き物を中心に380種1万5000点以上の生き物が展示されています。
それでは早速、解説中心に進めていきたいと思います。
国内の他の水族館と比較したり、日本の水族館によく見られる傾向についても触れたりしながら、筆者なりの水族館の見方が伝われば良いなと思います。
順路構成
大きく分けると、
・瀬戸内海に関連する水域を再現した展示
・生き物の生態などを説明する社会教育的展示
・アミューズメント要素の強い海獣エリア
の3つのエリアが順に並んでいます。割合としては5:2:3といったところでしょうか。
海沿いの水族館では、生物採集などの観点から近海の水域を再現した展示は必ずといっていいほどよく見られます。
また公営の水族館は民営の水族館に比べて社会教育的な展示や解説の量が多い傾向があり、広島県廿日市(はつかいち)市の管轄下にあるここ宮島水族館にも当てはまっているなと思いました。
※あくまで傾向であり、全ての水族館に当てはまるわけではありません
見どころ紹介
ここでは、水族館のメインコンテンツとされる展示エリアを中心に解説していきます。いわゆるメジャーな展示ですね。
①スナメリを日本一綺麗に見れる展示「瀬戸内のくじら」
宮島水族館のシンボルともなっているスナメリ。瀬戸内海における生態系の頂点に君臨しています。日本でスナメリを飼育・展示している水族館は全部で以下の6館となっています。
・仙台うみの杜水族館(宮城県)
・南知多ビーチランド(愛知県)
・鳥羽水族館(三重県)
・宮島水族館(広島県)
・下関市立しものせき水族館 海響館(山口県)
・マリンワールド海の中道(福岡県)
宮島水族館はこの中でも、最も綺麗にスナメリを見ることができます。
理由としては、仙台と南知多は大水槽の中で他の生物に紛れて展示されていること、鳥羽は水槽が広いため中々近くに現れないこと、マリンワールドは近くで見れますが水槽内の色が緑を帯びているためスナメリの体の灰白色が綺麗に見えにくいことがそれぞれ挙げられます。海響館は水槽が小さく、水槽内の色が綺麗な水色をしている点で宮島水族館と似ていますが、アクリルガラスが2面ある宮島水族館の方がより見やすいと言えるでしょう。
スナメリについて他に挙げるとすれば、個体数が最も多いのは鳥羽水族館で、9頭?くらいいます。また海響館とマリンワールドは館内イベントでスナメリの生態解説や特技が見られるので、スナメリに魅力を感じた方はそちらにも是非足を運んでみてください。
最後の「写真集」でも可愛く撮れたスナメリの写真を公開しているので、そちらも併せてご覧いただければと思います!
②地元の海中風景をそのまま再現した「カキいかだ水槽」
スナメリの他にネット等でよく見かけるのは、このカキいかだ水槽です。牡蠣筏とは、牡蠣を養殖する際に使われる仕掛けのことで、写真のように筏の下にロープで牡蠣をつなぎ、海中に沈めるものです。ここでは水槽の高さの関係から、実際のロープの半分の長さで設計されています。
カキいかだには、様々な生物が集まってくることで豊かな生態系を作り出す効果や、牡蠣の生態によって海水をきれいにする効果があリ「海の森」とも呼ばれています。2階フロアの解説板ではカキの生態や養殖方法について詳しく説明されており、とても勉強になります。
③様々な角度から見れる大水槽「いやしの海」
この仕様、とても良いなあと思いました。可愛いエイの腹側をしっかり見せてくれる展示は嬉しいです。
水槽の岩陰に隠れたこの場所には、上からの光が直接入ってこないようになっています。1つの水槽内(水域)でも、水深や光の当たり方によって雰囲気や生き物の特徴が変わるということを見事に再現した水槽であるといえます。最近の水族館は大水槽を複数の切り口から見ることができる場合が多いです。
2つの覗き窓の写真をご覧いただきましたが、この手の展示はとにかくアクリルガラスに近づいて見ることがコツです。特にドーム型の覗き窓は、光の屈折の関係で少し離れただけで見え方が全然違ってくるので、一番奥のギリギリまで顔を近づけてみてください。平面のアクリルガラスでは味わえない、まるで水槽内にいるかのような感覚を体験できます。
④海獣エリア1階からの景観
展示の解説という解説はあまりないので、写真を楽しんでいただければと思います。
さて、散々「自然光が美しい」と言っていますが、これらの写真は開館してすぐの9時過ぎごろに撮影した写真です。しかし、午後になると太陽光の角度と建物の構造の関係から、水槽に入ってくる太陽光の量が激減してしまいます。つまり何が言いたいかというと、時間帯によって水槽の見え方が全く変わってくるということです。午前中は燦々と太陽が降り注いで綺麗に見えた水槽も、午後に見ると暗くなって美しさが半減してしまうことがあります。逆も然りです。
理想は開館から閉館まで滞在し続けることなのですが、そんな狂気じみたことは余程水族館が好きか、写真熱のある方でないと難しいでしょう。ただ写真と見比べて思ったより綺麗じゃなかったなーと思っても、時間帯を変えてもう一度行ってみると、また違った発見があるかもしれません。
個人的に良かったポイント
ここでは、見どころ以外で個人的に良かったと思ったポイントを紹介します。要は、ちょっとマイナーな展示や視点で感じたことを書くコーナーです。今回は1つだけ。
「生きもののからだと暮らし」水槽内のセンス溢れるオブジェクト
この展示、個人的にはめちゃくちゃセンスあるなと思いました。飛行機みたいな白いオブジェの正体は、クジラの背骨の一部です。サイズや質感からレプリカだと推察できますが、それでも鯨の骨をオブジェクトに選択するというのは天才だと思いました。
理由を述べます。
まず、鯨は海の生態系において重要な役割を果たしています。その1つが深海生物に与える影響です。参考資料として、いおワールドかごしま水族館に展示されている解説をご覧ください。
したがって、鯨骨の一部は深海の景観を表現する上で最適なオブジェクトだと言えます。そして、この水槽で展示されているオオグソクムシは深海に住む生き物ですから、展示生物にピッタリ適合するオブジェクトが選択されているというわけです。
深海水槽のオブジェクトとして他にパッと思いつくのは岩くらいなものなのですが、浅い海域でも岩場は存在するため、展示生物の内容や照明以外で差別化することが難しい。そこで鯨の骨が用いられているわけです。これはセンスの塊だなあと思いました。
こちらは深海展示ではないですが、鯨骨をオブジェクトとして使っている水族館はなかなか見ないので新鮮で良かったです。
こちらでは縮小された護岸ブロックがオブジェクトとして沈められています。立体感のある岩の壁に囲まれた中に、無機質な人工物が佇んでいる景観が素敵ですね。
海に沈んだ人工物は生物を傷つけてしまうこともありますが、一方で生物の住処となることもあります。こうした人と海の関わりを解説する展示も、水族館ではよく見かけるものです。最近では特に、海洋ゴミ問題をはじめとする環境問題に関連した展示が増えています。水族館にはアミューズメント以外にも様々な社会的役割がありますが、こうした展示は、そのうちの1つを果たす重要なものだと言えるでしょう。
写真集
解説する上で必要以上と判断したため載せなかった写真や、ここまでで登場しなかった展示について軽く紹介していきます。こちらを軽く見るだけでも水族館の様子が伝わるんじゃないかなーと思います。
スナメリ
クラゲ
コツメカワウソ
はつこい庵
アザラシ&アシカプール
総括
想像よりも広くてとても楽しめました。
詳細はここでは書きませんが、サプライズで行う非公開のイベントもあるようです。運が良ければ見ることができるかもしれません。
特筆する点はやはり瀬戸内海について詳しくなれる点、スナメリを日本一綺麗に見ることができる点の2つでしょう。
広島観光のメインである厳島神社から徒歩5分のところにあるので、ぜひ宮島に足を運んだ際には行ってみてください!
おわりに
最後までご覧いただきありがとうございました。
構成や内容に関するコメント等あれば、気軽に書き込んでいただけると嬉しいです!
次回は島根県立しまね海洋館アクアスです!お楽しみに!