彼女の涙が気づかせてくれるもの

　つらくても常に笑顔でいなきゃいけない環境、泣いても何も変わらないと思うような環境は不健全なんだ。自分の感情に素直な表情を見せられる場所が人には必要だと思う。それをありのままに受け止めてくれる人の存在があればより幸せだよね。

　彼女が役として生きている夏海は、そういう意味でずっと不健全な環境にいた。理不尽な環境で笑うことしかできなくなっていたシンデレラ。そんな夏海を役として一生懸命生きている彼女自身はどうだろう。

　彼女は自分の中の気持ち、感情に素直であろうとしているように見える。彼女が役ではなく、「森七菜」として流す涙は、素直な涙なんだ。だから、人の心に響く。私はそう思う。カメラの前でこんなに正直に泣ける人を私は他に知らない。

　素直さというのはすぐに忘れてしまう。この世の中が素直さを忘れやすい、素直であることが難しい世の中であるともいえる。その中で素直であろうとしている彼女は本当に強い人だ。だから、彼女のことを本当に信じられるんだ。

　彼女のことを認識した当初は、「かわいい子だな」くらいだったのだけど、こんなに素敵な人だったんだ。知れば知るほどそう思うし、改めて思わされる。誇張でもなんでもなく、彼女という存在を知ることができて、この世の中で彼女という存在と巡り合えて、本当によかったと思う。彼女が誕生日を迎えて２日、少しほっと一息つけた今日、そんなことを思ったし、いつの間にか、そんなことを思うほど、彼女が日常のひとつになっていることを実感したりしている。

　そうやって自分の気持ちに素直になってみると、自分もまだまだ「やりたいことがありすぎる～！」。
　やりたいことひとつひとつ、形にしていけたらいいな。