taka
過去に書いた小説をまとめてあります。気になるものがあればいいな・・・
ふと思っただけの話なんだが、身体に傷をつける行為は自らが望んでいるかいないかで意味が大きく変わると思うのだ。 私の身体にはタトゥーが入っている。ただしっかり正しておきたいのは「そういった類の人間では無い」という事だ。 偏見の目は未だにあるが、その多くはそういった類の人間に対してのものであると思っている。自分の事を隅から隅まで調べたとして、丁寧に友人関係まで調べ上げたとしても、私の背景にそういった類の人間は1人として居ない。 さて、タトゥーは自ら望んで身体に傷をつく
元カレと一年ぶりに遊んだ 私の事を迎えに来てくれて、前と変わらず 「おつかれ~」 これから遊ぶのにいつも朝からお疲れの彼。相変わらずで私もつられて「お疲れ」と返す。 この感じが久しぶりで少しだけ頬が緩んでしまう。助手席のドリンク置き場には私がいつも飲んでいたお茶が置かれていた。 「いつもコレ飲んでたよね?」 「うん、よく覚えてたね」 「まあ、覚えてたよ」 「ありがとう」 彼はいつも飲み物を買って迎えに来てくれる。前と何も変わらない、変わらない。 映画ま
朝、いつもより少し早く起きた。まだ暗い空に、心地よい気温。何かをするから早起きしたわけでは無い。早起きをする為に早起きをしたのだ。 歯を磨き、顔を洗い、ダル着から外へ出れる格好へ着替える。まだ何をするか決めていない。 とりあえず近くのコンビニまで行く事にして、僕は家を出た。時刻は午前4時を回ったところだ。いつも歩いている道も今では静まり返っている。この時間に外に出ている人なんてあまりいないだろう、そう思いながら、この静かな時間を楽しんでいた。幼い頃、遠出をする時は決ま
1っていう数字は好き。一番になれた気がするから。 2っていう数字は嫌い。一番じゃないから。 3っていう数字は中途半端だからなんか嫌だ。 4っていう数字は不吉だから苦手。 5っていう数字は__________ 人の好きか嫌いかの基準なんてそんなもん。全部適当。自分の直感、さじ加減。だから私がいじめられてる理由も多分そんなもん。 いじめられてるって自覚はある。だって朝学校に来たら下駄箱にあるはずの靴が無いんだもん。机の中に身に覚えの無い殴り書きの手紙が入ってるんだ
あなたがこの手紙を読んでいるという事は私はもうこの世には居ないという事ですね。なんだか寂しいな。 今こうして自分の人生を振り返って、後悔も楽しかった事もたくさん思い出してきて、文字に残したい気持ちでいっぱいです。過去の事を今更写真に残すことは出来ないから、言葉で、文字で残す事にしたいと思います。 だからちょっとだけ、私のさよならの前に付き合ってください。 __________ 相手の為と思ってしてた事は全部、自分の為だった 夜中に一人で考える時間は本当に無駄だっ
「私事ですが、今月いっぱいで退職します」 昼会の連絡事項を述べる時に、1人がそう言って話を始めた。彼の退職するまでの経緯や、次の会社も決まっているという事、そして職場の人への感謝の言葉をこの場を借りて言わせて欲しい、と。彼はとても優秀な人材だと思ってる。1つ上の先輩で、とにかく頭がきれる。ここぞという場面でしっかり仕事をこなし、抜く時はとことん抜いてサボる。仕事が立て込んでいるのに忙しそうな顔せずに仕事をする、そんな先輩だった。 話の中で先輩は「報告が急になってしまっ
生きているのが辛い、苦しい 違う そうじゃない 私は不自由ない生活をしている なのに 死にたい 私は社会人。ごく普通の会社で働く一般人。成人済み。アラサー手前。女。私の自己紹介はこんなもん。淡泊で中身の無い検索ワードみたいな自己紹介だけどそれしか思いつかないのよ。 生活には困ってないわ。そこそこいい役職についてるし、それなりにお金も貰ってるし、家も都内のマンションに住んでいるの。夜景は綺麗だし、景色もそこそこよ。 そう、全部そこそこ。それなり
ネット恋愛って本当にあるの?そう友達から言われてドキッとした。ある。私のはその経験があるのだ。 高校生の頃。あの頃はとても若かった。 私は青い鳥ユーザーだった。いわゆる【Twitter】だ。青い鳥の中で会話し、連絡を取り合う。自分の好きな物の専用のアカウントを作り、自分の好きな物を共有し、共感しあっていた。 その中ですごく仲良くなった人がいた。顔も見たことないし、絡み始めた頃はどこに住んでいるのかも知らなったけど、その人はとても面白い人で、私のくだらないボケや、アホ
【今日は何時ごろ会える?】 スマホに表示されたその文字を見て、時計を確認する。22:57か。シャワーは浴びたいから大体、0時には家を出れるはず。 私は『0時過ぎにはいつもの場所に行けるよ』と返信しすぐにシャワーへ向かった。急な誘いはいつもの事。自分は暇だからいつでも動けるし、こっちの方が効率が良い。シャワーを浴び終えてメイクをする。目元は少し長めのアイラインに、ブラウンのアイシャドウを重ねる。リップは今日は赤系のを付けて、胸元まで伸びている髪は、癖をストレートに伸ばして
好きの感情には期限があると思う 私には好きな人がいた。三年前に告白したけど、フラれてしまってその後は友達として仲良くしていた。 二人で買い物に行ったり、お酒を飲んだり、カラオケに行ったり、普通の男友達として接していたから私はその時は答えられなかった。 「あなたの事が好きだから付き合ってほしい」 いつも通り遊んで家まで送ってもらった時だった。今日もありがとうと言って車を降りようとした時に言われた言葉だった。 私は戸惑いを隠せなかった。それに私の中ではもう既に男友達
男は帰路につく。仕事でヘトヘトになりながら。 男は電車に乗り込む。椅子に座りイヤホンをつけて、音楽を流しだす。 目をつぶり、電車に揺られる。 そして男は夢を見る。遠い記憶、懐かしいあの日々の思い出を。 「おい、秘密基地行こうぜ!!」 学校終わり、ランドセルを背負った少年達はしげみの中へ入っていった。段ボールで出来た簡易的な秘密基地。お互いに合言葉を交わして中へ入る。 お菓子や漫画を持ち寄って遊んだ。誰も僕らを注意する人はいない。漫画に飽きたら、基地を出て鬼ごっ