本好き
本が好きになった理由を思い出してみよう。
父は洋服仕立て、母は病院の受付の仕事をしていたので、私の面倒はお寺の幼稚園と祖父が見ていたようだ。祖父はひらがなを一つずつ教えてくれて、カルタで遊んでくれた。
小公子というとてもきれいな漫画を買ってもらって、それを何度も何度も読んでいたのを覚えている。
小学校に入って教科書をもらうと、国語の本を最初から最後まで読むのが楽しみだった。
貸本屋で五冊くらい立ち読みして一冊借りて帰ったものだ。学校の図書館の本を読んでいき、学校の前にあった公民館の図書館にも通った。
中学の図書館は新鮮だった。日本文学全集と世界文学全集のどちらから読もうかと考えた。今から思うと間違えた。日本文学全集から読み始めた。大人の男と女の話がほとんどだった。すっかり嫌になった。文学というものが、そういうものなのかと、気持ちが悪くなってしまった。そのあとは、高校生になって『赤毛のアン』と『若草物語』に出会うまで本から離れていた。
それから先は、ジャンルを問わず本を読むようになって、本など楽しみに読むだけだったが、ついには、本が仕事になった。
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写真は何回目かの蔵書、今は学校の廊下にある