愛犬。

20年ばかり昔、離婚してお金がなく、その一方で食べ盛りの子どもに毎日何らかの肉を食べさせなくてはならなかった時、迷った挙句「禁断の肉」に手を出してしまいました。

それは「愛犬用」
勇気を出して買って帰り、パックの中身を全部開けてよく確かめたところ、牛肉と豚肉が両方ぎゅーぎゅー詰めに入っていて、しかも「これってすぐ隣はとんかつ用だったんじゃね?」と想像できるような部位も入っていました。

スジ肉はポトフやカレーに、良さげなところはスライスして炒めて食べたりと、それ以来「愛犬用お肉」は我が家の食卓になくてはならない存在になりました。
子どもにお肉ゴロゴロのおいしいカレーを食べさせることもできるようになりました。
そのカレーを我が家では「愛犬カレー」と名付けました。
そしてある日、子どもとスーパーに行ってふと「今日、何が食べたい?」と聞いたところ、子どもがスーパーの通路ででっかい声で「お母さん、今日は愛犬カレーが食べたいー」と言ったのです。

顔から火が出ました。

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