突然クビ宣告を受けた15歳の夏〜あとがき②〜
「すごく傷付いたね」
ひと言、そっと伝えられた。
私は、その一言が心に響いていた。
傷付いたなんて
思ってもみなかった。気付いてなかった。
でも、涙が止まらなかった。
私は、すごく辛かった。悲しかった。悔しかった。
解雇されたことが、惨めだった。
あの頃
辛いなんて感じたり
悲しいなんて泣いたら
惨め過ぎた
苦しすぎて向き合えない
だから
とことん強がった
作り笑いで自分を誤魔化した
別に
全然傷付いてない
強がりは、いつしか生き方に変化した
夜の街では
悲しいこともたくさんあった
辛いことや理不尽なこともあった
当たり前だよ
みんな、その想いを抱えて存在しているから
感じることを止めた
酷いことをされた時はキレた
悲しくなんかない
私は強いから
不自然な鎧をまとっていた
16歳の夏
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