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帰りの電車と絶対的な自信。

前から実はすごく喋ってみたかった人と偶然電車で一緒になった。

電車はすごく空いていて、横に長いシートの端と端で向かい合わせの状態だった。

相手が座った瞬間は全然その存在に気付いていなかったけど、しばらくしてちらっと視線を上げたときに少し目が合った。その時に私ははっきりと認識した。

本当は喋りたかった。
なんとなくだけど仲良くなれる気がしているから。
勘違いかもしれないけど、よく自分のことを見ているなと思っていたから。良く思ってくれているんだろうなと思っていたから。(勘違いだったら本当にごめん!)

けど、喋らなかった。
何なら気付いていない感じを出してしまった。

はすってしまった。

自分から声をかける勇気がなかった。
声をかけて勘違いで落ち込むのが怖かった。

声をかけてくれるのをずっと期待していた。
あっちから声をかけてくれて、話が盛り上がる。
そんな妄想をしていた。

なんで気付いていない感じ出すかな。
なんで素っ気ない感じ出すかな。

実は心のうちでめちゃめちゃ意識してるくせに。
何ならこっちの方が意識してるよ。

自分から声をかける勇気。
失敗してそこから学ぶ勇気。
自分から声をかけられないにしても、声をかけてもらいやすそうな雰囲気だけでも作る努力。

何も喋りかけなくても、少しの間視線を送りつづけ、目があったところで「あ!やっぱり!」みたいな感じの表情をすれば二人の関係は始まっただろうに。

昔からこうだよなと思った。
勝手な妄想劇場。
そして、自分に好意的な感じを出してきてくれる人に対して逆に素っ気なくしたり、その視線に気付いていない感じを出したり。
でも、いつの間にかこっちの方が思いっきり意識してたり。
あっちから来てくれるのを待ってばかりで。

臆病なんだ。
恥をかくのが怖いんだ。
ぬか喜びであると知ることが怖いんだ。

絶対的な自信なんていつまで経っても持てないだろう。
絶対的な自信がなかったとしても、やっていかないと。

変えていかないと。
変わっていかないと。

そんなことを思った帰り道。

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