椿

小説について。ミュージカルについて。または演劇。たまにちょこちょこ書きます。読んだ本、ミュージカル、自分でも小説のような詩のような。限定されない文を書いてみたいと思ってます。

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小説について。ミュージカルについて。または演劇。たまにちょこちょこ書きます。読んだ本、ミュージカル、自分でも小説のような詩のような。限定されない文を書いてみたいと思ってます。

最近の記事

Fate/staynight ヘブンズフィール 3 感想

今日はヘブンズフィール見てきました。すごく面白かったです。アクションシーンが美しいので、また見に行きたいです。 さて、感想ですが、順を追って、かつ印象に残ってる所を抜粋して書いていきます。 始まりは士郎が慎二の死体を見つけるところから。慎二は死んでいるのでもう何も感じませんが、慎二の終わりとして一番良い終わり方だったように思います。 場面が変わって綺麗がストーリーテラーのように影を使い、これまでの話を振り返ります。この演出の際、私も舞台に上がろうと綺麗が言うのですがこの

    • BLUE RAIN

      本日は博品館劇場に行ってきました。カラマーゾフの兄弟が大好きなので観ているのが楽しかったです。 登場人物以下6人。 ジョン テオ ヘイドン ルーク サイラス エマ ジョンは歌唱凄すぎです。迫力が違う…演技の声からして違うもんね、さすがでございます…。 死人がストーリーテラー的なことするのはサンセット大通りを思い出します。何故子供をそこまで憎むのか、わかりませんでしたが、自分の子供だからかもしれないですね。 テオは想像してたキャラと違うな…あんまり乱暴者に見えない。ギャ

      • 海に浮かぶ月は

        「海月に生まれてればよかったね。」 彼女は右だけに笑窪を作ってに笑った。冷えた砂浜。海には夕日が、地平線の奥に眠ろうとしている。 僕は白くて小さなツボを手にして馬鹿みたいに砂浜に座り込んでいる。ツボには骨が入っている。僕は砂浜とツボに冷やされて寒かった。 靴や足にに砂がつくのものも構わずに雑に座ってる。映画みたいな感傷的なシチュエーションなのに、僕は自分の中が空っぽになって寒いことしか分からなかった。 「海月だなんてごめんだ。」 喉の奥が痛くて、大きな穴が開いているような気

        • ミュージカル フランケンシュタイン語り

          ミュージカルフランケンシュタインを観てきました。 2020.01.17 2020.01.30 2回、どちらもかきこにで観ました。本当は全組み合わせ観たかったのですが、日程が合わず…円盤はどちらも購入しようと思っています。 私はフランケンシュタイン大好きです。設定に色々問題はありますが、歌とキャラクターがその設定の杜撰さを大きく超えて魅了してくる、そんな作品です。簡単に言えば押しが良ければ全てよし!みたいなかんじでしょうか…。 しかし、決して明るい話ではないので、観てるほ

          黒蝶病

          ブーブー 「はい、水瀬です。」 「こちら、●■病院、窪田医師と申します。お母さまの経過報告を聞きたいと思いお電話いたしました。その後どうでしょうか。よろしければお家に一回訪問させていただきたいのですが…」 「先生…お世話になっております。訪問は今日ですか…」 「難しいでしょうか…」 「あの…今、母は眠っているんです。ようやく寝たので…できれば眠らせてあげたいのですが…」 「そうですか…では、よろしければ経過報告と一緒に御都合の良い日を教えていただけませんか。」 「はい…ちょ

          黒蝶病

          血塗れ花嫁

          ふと目が覚める。夫の神経質な歯軋りにうんざりしながらも、少しは眠れたようだった。夜中の2時30分。気怠い初夜。私は時刻にして昨日結婚したばかりだった。夫となる人物は一週間前に顔を合わせたばかり。 印象はあまりない。肌が白くて、眼鏡かけてた。豆腐みたい。職業は医者だったかな。学者かも知れない。 どちらでもいい。 だって結婚っ永久就職でしょ?私興味ないし、政略でもなんでも決まってりゃ楽じゃない? 就職氷河期で、四苦八苦するよりいい。お手伝いさん雇うだろうし。私の役割は飾りでしょ

          血塗れ花嫁

          結婚しない選択

          私は小学校…6年いやもうすこし早かったかもしれない。その時から結婚は絶対にしないと決めていた。 親や親戚からは「わからないよ?結婚しちゃうかもしれないじゃない」と言われた。むしろ未だに言われる。きっと未来はわからないよ?という可能性を提示したいのだろう。わからないのは何故、結婚するのが明るい未来かのように言うのかということだ。自分たちは離婚してると言うのに。甚だ疑問である。 私が結婚しないというのはひとつの信念からか、または性格か…それとも親を反面教師にしたためか…いろいろあ

          結婚しない選択

          ハイキュー!!はじまりの巨人

          本日、友人に誘ってもらってハイキュー!!観に行きました。 なんか、ハイパープロジェクション演劇とか観たことないし、いや、バレーボールどうやんの?どこの話?とか思ってたのに予想以上に笑って楽しんでた。やっぱ舞台大好き。 漫画読んでるので、内容は問題なし。世界観がわりと原作にそってるとこも好き。あとダンス観るのも好きなので、見どころは山盛りにある。 驚いてばかりだけど、体力オバケかよ!というぐらい動く。バク転、リフトは当たり前。しかも170以上ある男を基本持ち上げまくってるの本

          ハイキュー!!はじまりの巨人

          マクベス~眠りを殺した男~

          本日は『マクベス~眠りを殺した男~』を観劇してきました。 水さんすごくかっこいい!! 圧倒的な男前。マクベス夫人なのですが、マクベスがヒロインに見えるぐらいかっこよくリードしてましたね!! ブレの無い、キレある美しいダンスと妖しい指の動き。指の動きを見てるとトートを思い出してしまい、マクベスが黄泉の国へ行っちゃうんじゃないかと思ってしまいました( 笑 ) マクベス夫人の印象は毒のある欲望を抱きながらも、恍惚とした目でマクベスを見る表情が少女のようでギャップを感じる危うげな

          マクベス~眠りを殺した男~

          ミュージカル メリー・ポピンズ

          2018.5.6 シアターオーブにて、メリー・ポピンズを観劇して来ました。 配役はメリー・ポピンズが濱田めぐみさん、バートが柿沢勇人さんです。(本日の出演者参照) 歌、ダンスがとても素晴らしいです。 印象に残った曲を順不同で上げていきます。 ステップ・イン・タイム お砂糖ひとさじで チム・チム・チェリー スーパカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス どんなことだってできる 衣装も変えも、目に鮮やかで観ていて楽しいです。 また、今回何よりも魅力的だったのはメリ

          ミュージカル メリー・ポピンズ

          本を読むこと

          世の中には本を読む人、読まない人がいる。私は前者だ。なぜ読むのかというと特にこれといった理由はない。面白いものもあるし、つまらないのもあるが、読み出すと最後まで読んでいる。 ところで、本を読む人は私の周りには殆どいない。 その事で私は近年まで少しばかり傷を負っていたようなのである。 本を読んでばかりいるなんてつまらない奴などと呼ばれたり。本を語りたいがために勧めてみたものの、そんな暇などないと一蹴されたり。本を読む子供は不幸だとか、寂しいやつだとか、根暗だとか…(最後のは

          本を読むこと

          私は水になりたい。 この湯に溶けて液体になりたい。 いつも風呂に入るとそう思う。 お風呂は私が唯一独りになれる場所で、それは私のユートピアであった。家族は多く、金はない。 一人部屋が欲しいなどと言える家庭ではなかった。だから、20を過ぎても、一人部屋など与えられたことは無かった。私は厭世家で、人が苦手である。または関心がないとも言える。小さい頃からそれは治らない。赤子の時は父まで嫌っていたようだ。 仕事もそれが災いしていた。話すのは苦手で要点をうまく伝えられず、声も小さい

          水に許された女

          白い水。冷たい水。浮き沈みしていた彼女はもう息をしていない。水深はそんなに深くなくて、私の太腿が浸かるぐらいだった。白い肌、黒い潤った長い髪。水死体というのはぶくぶくしていてもっと醜いものだと思っていたが、彼女は美しい。そのうち醜くなるものだろうか。手を離すと彼女は深い海に帰ってしまう。それが少し惜しくて私は手が離せないでいた。 彼女は水を愛していた。どんな液体でも愛おしく慈しむ。水槽を見れば手を突っ込み、プールを見れば飛び込む。お風呂はかなり長いこと浸かっているし、水族館

          水に許された女

          死者偲び

          最近、『この闇と光』という小説に出会った。 うわ〜この本すごく欲しい....!と思っていたわけじゃない。 表紙の絵が佳嶋さんだったのと、解説が私の女神である皆川博子先生だったのが興味を引いたのだ。 いつも通りたくさんの本の面白そうな本として私はそれを手にした。 それから2週間ぐらいだろうか。ゲーム、落書きとだらだら休日を堪能していだが、やがて飽きた。何故か休日は読書ばかりだからと無理やり読書をしないで過ごそうとしていた。 しかしながら本読まないでは休日を終わらすことなどでき

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          カウンセリング

          「先生、なぜ人を殺してはいけないのですか。」 少年は虚ろな目をしている。真っ直ぐ向いてるのに、目が合わない。 「一般的には人の命を奪う権利はないから、ね」 私はありふれたことしか言えない。私にだって分からないのだ。 「先生はなぜ僕が妹を殺したのかわかりますか。」 少年は窓辺に向かう。外を眺めているのか、濁った灰色の目。何も映らない虚ろ。 「妹さんを守りたかったって聞いたわ。」 「ふふ、先生は伝聞ばかりだ。」 空は眩しいぐらい快晴。なんて似つかわしくないのだろう。こ

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          フカイアイ

          「僕がどのくらい君のことを愛しているか君にはわからないだろう。」 男は悲しげな目で女を見た。男は衰弱している。 骨ばった青白い肌。 女はそっと肌を撫でた。その後、男の唇を塞ぎ、男の唇をぺろりと舐めた。 翌日、男は息を引き取った。女の手を固く握り締めた手はまるで女と共に死にたいかのようだった。 女は村の地主の娘だった。女の大きな洋館には地下がある。女は洋燈を手に暗い階段を降りた。ゆらゆら揺れる炎が女に安心感を与える。 下まで降りると豪奢な黒い扉が現れる。女は金色の大きな鍵を

          フカイアイ