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おやすみと言って、別れたのにね。
気持ちが良いくらいに一睡もできなかった。
*…*…*
昨日は朝からひどい雨だった。
風と水が窓を叩く音に少々げんなりした。
それでも、雨の日はそんなに嫌いではないので
家の中から庭を眺めて
植物たち、気持ち良さそうに雨を浴びているなぁ
なんて、物思いに耽ったりしていた。
午後になると、ダム放流のお知らせ放送が市内に轟いた。
雨がたくさん降るといつも流れる放送だから、その時はそれほど気にならなかったのだけど
数時間後に再び放送が響き…
更にその後……
またその後………
とダム放流に関する放送が頻繁に流れる。
雨音しとしと、夢のよう
なんて、思考がどこかへ行ってしまっていた私も
「あれ………?これは、もしやが起こるかもしれない……?」
と、流石に現実へ帰ってきた。
保存食、何があったかな…なんて確認しながら、すぐに避難ができるように準備してみたり、市町村が発信している情報を追いかけたりした。
そうこうしているうちに意識はそれて、パズルゲームのイベントが始まった事を知って熱中し、読みそびれていた積読本を崩し始めてみたり、noteを探検してみたり……
そんな風に過ごしていたら、いつの間にか夜になり、夜は私を置いてきぼりにして朝になってしまったのだった。
*…*…*
「……と、言うわけで一睡もしとらんのです。」
「それは…………」
早朝、そんな事をぽそりと呟いた私に対して、家族が『それは』の次に言いたかった事は『自業自得なんじゃ…』という一言でしょう。
私も、そう思う。しかし
「これは、考えようによっては、今日は2度目の火曜日よね。」
何を言っているんだという顔をされた。
何を言っているんだと、私も思う。
私が眠るまで、私の今日はまだ火曜日。
ちょっと得した気分の、水曜日。
(ねむい)