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船の移動で大繁殖する最強外来種ワカメ【外来種シリーズ】

みなさん海藻は最近食べましたか?
寿司には海苔、海藻スープに、海藻サラダ、など
現在の私たちの周りには海藻料理があふれています。

そんな海藻としての代表としてワカメは一度は口にしたことがあるでしょう。(無かったらごめん)

そんなワカメですが、その手はいまや全世界に広がり大繁殖をしています。
世界の外来種ワースト100に選ばれるほどです。

主に、アメリカ、フランス、イタリア、オーストラリア、ニュージーランド、黒海、地中海
で繁殖しているらしい。

CSIRO, CC 表示 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=35441040による

ワカメは、遊送子(ゆうそうし)と呼ばれる胞子の一種を
めかぶから解き放ち増殖していきます。
その増殖のペースは1個めかぶにつき数億個とも言われています。
(まあ生き残るのは100個前後らしいですが)

このような強い繁殖力で、移動先の海の豊富な栄養をぶんどりながら
大繁殖しているわけです。

(ワカメを食べる天敵のウニがいないからという話もありましたが、
 世界のウニが本当にワカメを食べないのか確証が取れなかったため
 今回お話では見送りました。)

海藻食べれない問題

「ワカメが増えたら食べればいいじゃない」と
私達日本人は思うかもしれませんが、
そもそも外国ではワカメを食べる文化がありません。
それどころか海藻を食べる文化すら根付いていないところがほとんどのため
食べないのは納得です。

追加事項---------------------------------------------------------------------------
この話題になった場合よく
「海藻を分解できる酵素(を発生させる微生物)を持っているのは
 日本人だけなので外国人は海藻を食べれない」
という話を見かけますが、

酵素を発生する微生物を体内に取り込むためには
海藻を生で食べなければいけません。
理由としては、熱を加えると微生物が死んでしまうためです。

そして海藻を生で食べる文化を持つ国は日本以外にも存在し、
そういう人たちは酵素を持っている確率は非常に高いです。

上記の理由から日本人以外も
海藻を分解する酵素を持っている確率は非常に高いです。

また海藻は過熱することによって、
固い細胞壁をバラバラにすることができます。

この固い細胞壁が特定の酵素しか分解できないということで
話題になったのですが、裏を返せば熱を加えれば問題ないということです。

結論は、食べようと思えば外国人も海藻食べれるということです。

ワカメはどうして外国に渡ったのか

ワカメが外来種として外国に渡ったのは、
船の往来の増加によるものと言われています。

結局人間が悪い

原因1.船の船底に胞子がくっついて移動した。
原因2.バラスト水の中に胞子が入っておりそれによって移動した。

原因1は要は船の底にくっついた胞子によって大移動したということです。
現在では船の塗料を胞子がくっつきづらい塗料に変えることによって
対策が取られています。

原因2のバラスト水ですが、
これは貨物船のバランスを取るために取り込む海水のことを言います。

なぜバラスト水が必要かというと、
・積み荷を降ろした貨物船は軽くなりバランスが取れなくなる。
・そのため、重りとして海水を取り込み
 貨物を乗せたときと重量を一定にすることでバランスを取る。
上記のような理由から、バラスト水は使われています。

こちらも現在では対策として、浄化装置を使用しバラスト水を交換するときは水を綺麗にしてから排出するということを行っています。

一応やべぇと思い世界中で対策はされていますが、
果たして、外来種VS人間の戦いはどちらが勝つんでしょうか。

最後に宣伝

noteで出した解説は、基本的にYouTubeで動画としても出す予定なので。
良ければ、チャンネル登録よろしくお願いします。

https://www.youtube.com/channel/UCezMs6uHCUWpcM-oMS7C5vg


参考文献

ワカメの生殖 NHK動画

せとうちネット

読売新聞ー海外で嫌われる…日本発の“外来種”ー

ニュージーランドのワカメ輸出計画

環境省展望台ーバラスト水ー


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