不正乗車を繰り返していた詩織さん:「裸で泳ぐ」を読む
伊藤詩織さんのエッセイ集「裸で泳ぐ」(岩波書店)。前著「Black Box」では隠されていた詩織さんの異常な面がそこかしこに書かれているので私のような詩織研究者にとっては非常にありがたい資料です。
担当編集者の堀由貴子さんは詩織さんが本物のレイプ被害者であることを疑っていないのでしょう。
だから、詩織さんの胡散臭さ満点のエピソードを載せてしまったのでしょう。
岩波書店の編集者がいかに頓馬でお人好しか分かります。
* * *
「裸で泳ぐ」の「子ども料金」の章で詩織さんは中学生時代の不正乗車の思い出について書いています。
P13-15
『そんなことを考えているうちに、明るい、真っ青な、「ダサい」の言葉に収まらないほど、まるで何かの罰のようだったジャージを着ていた中学一年生時の記憶が蘇ってきた。
部活の試合帰りで、友人と改札を出たところにいる。腕には、これまた派手なオレンジ色で「伊藤」と刺繍されている。
たぶん、まだ中学生になってほやほやの頃だろう。とにかく覚えているのは、自分の着ているジャージのクラクラするような青。その日は弟や妹が通う小学校の運動会で、応援に行く親と合流し、皆で一緒にお弁当を食べることになっていた。同じ部活の友人と、隣駅で降りて小学校に向かう。
ところが券売機の前で私たちは悩んだ。公衆電話から母の携帯に電話をするように言われたのに、電話をすると切符を買うお金が足りなくなってしまう。歩いたらお昼の時間に間に合わない。そのとき、いい考えが浮かんだ。「まだ子ども料金で大丈夫だよ!」私は得意げにそう言って、自分だけ子ども料金の切符を買った。たしか一〇〇円しか持っていなかったのだけど、子ども料金だと八〇円、これで電話もできる。
購入した切符で改札を通り、ホームの階段へと向かっていくとき、後ろからすごい勢いで怒鳴られた。「お前止まれ!」
制服を着た大人に怒られている。逃げるか、大人しく謝るか。ホームに逃げても仕方がない……というより固まっていたと思う。怒鳴り声のあまりの大きさにショックを受けていた。周りの人たちも振り返って、何事かと様子を見ている。
それからどれくらい怒られていたんだろう。学校、学年とクラス、フルネームを聞かれる。このままだと部活をやめさせられる? 退学になる……? 不安が募り、必死で謝って頭を下げても、やっぱり許してくれない。そのうち涙も出てきた。近くにいたおばさんが、心配して私が運賃を払うからって言ってくれた。それでも駅員さんの態度は頑ななものだった。私は二〇円を惜しんだことを後悔した。
正直、私は自分が本当にまだ「子ども」だと思っていた。中学生なんて正式にバイトができる年齢でもないのに、なんでいきなり、小学校から中学校に上がっただけで料金だけ「大人」になるんだろう。
子ども料金で乗ったのは、これが初めてではなかった。そうすると、時々、一緒になった大人の友人の中には、もう中学生なんだからちゃんと大人料金を払おうね、と優しく教えて差額を払ってくれる人もいた。でも、まだまだ子ども扱いなのにどうして料金だけ変わるのかという問いに答えてくれる人はいなかった。だから納得はしていなかった。そんな私は、まったく罪悪感もなく、子どもとして乗車しようとしていたのだ。』
P15
『次の日から学校ではヒヤヒヤしていた。いつ眼鏡姿の男性駅員が怒って押しかけてくるかわからない。
でも、それも忘れかけた頃になって、生徒指導の先生に呼び出され、廊下で怒られた。やっぱり報告されていたのだ。あれだけ学校には言わないでくださいって頼んだのに。
悪いことをしたのは確かに私だ。でも、子ども料金は、法律で「成人」と認められる年までそのままにしてほしい。身体は成長したとしても、経済力はないし。』
* * *
この短い文章の中に、詩織さんの性格の特徴が二つ表れています。
一つは、客観的事実を伝える意志の完全な欠如です。
詩織さんは駅員にずいぶん長時間叱責されたみたいですが、駅員が具体的に何を言っていたのかを書きません。
一緒にいるはずの友達がその間どのような状態だったのかも書きません。(普通に考えれば友達からお金を借りたら不正乗車をせずに済むのです)
もう一つは、あたかも相手に非があるように思わせる狡猾さです。
詩織信者は「足りないのは20円だけなのに、人前で執拗に怒鳴り倒して中学1年生の少女を泣かせるとは! なんて残酷で無情な駅員だ!」と思うことでしょう。
この、相手を悪人に仕立て上げる印象操作は「Black Box」でも見受けられます。
本当はビザの話をしたのにしていないことにされてしまった山口敬之さん。
消極的だったと描写された高輪署の捜査員。(ちなみに高輪署の捜査員に対して詩織さんが具体的にどんな被害申告をしたのか未だ明らかではありません)
冷淡だったことにされてしまった婦人科医師。
証拠がないから逮捕しなかっただけなのに裏があるように書かれてしまった中村格(当時の)刑事部長。
どれも、具体的な事実を知ってしまったら別段非難される点などなかったことが分かります。
* * *
不正乗車のエピソードに話を戻します。
駅員に怒鳴りつけられ、こっぴどく叱責され、泣いても許してもらえなかった。見知らぬ婦人が代わりにお金を払うと申し出ても怒られ続けた・・・。
これって単に駅員に目をつけられていたということではないですか?
『子ども料金で乗ったのは、これが初めてではなかった。』
・・・とはっきり書いています。
何度も不正乗車を繰り返していて、ついに現場を押さえられたというのが真実ではないですか?
もしかしたら駅員に見つかったのも初めてではなかったのかもしれません。どこにも「初めて捕まった」とは書いてありませんし。
そして、「この出来事以降、不正乗車は止めた」とも書いていません。
* * *
不正乗車は犯罪です。刑法の詐欺罪ないしは鉄道営業法違反です。
悪事を繰り返していたことを悪びれもせず書いてしまう詩織さんの常識の無さには脱帽です。
詩織さんは回転寿司店での陋劣な行ないを動画で公表してしまう若者と、知性と倫理のレベルが同じなんですね。
この程度の人だから恩人を奈落に突き落とすような没義道をやってのけたのですね。
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