「ということはお前はゲイだな!? 論理学を披露した者~令和版論理学の憂鬱」ショートショート
彼は酒場で論理学の教授と知り合った。
「論理学ってのはどういったもんですか?」
「やって見せましょうか。お宅には芝刈機があります?」
「ありますよ」
「ということは、広い庭があるわけですね?」
「その通り! うちには広い庭があります」
「ということは、一戸建てですね?」
「その通り! 一戸建てです」
「ということは、ご家族がいますね?」
「その通り! 私には妻と2人の子供がいます」
「ということは、あなたはゲイではないですね?」
「その通り! ゲイじゃありません」
「つまりこれが論理学ですよ」
「なるほど!」
深く感心した彼は、翌日同僚に得意げに話しかけた。
「論理学を教えてやろう。君の家には芝刈機があるか?」
「いや。ないよ」
「ということは、お前はゲイだな!!」
翌日――――