他人の電話に割り込みたい!-子どものコミュニティで目立ちたい親の話-
むむです。
今回は、自分が携帯端末を持つようになってからのお話です。
課外活動の連絡であったり、友達とのおしゃべりであったり、たまに電話を使っていました。
わが家は家が小さいので、一人になる時間や空間は基本的にトイレとお風呂しかありません。どうしても家族に電話していることは気づかれ、こちらが話すことは丸聞こえになります。
こればかりは仕方ありませんが、当時それがものすごく嫌でした。
ところが、母はさらに、電話の相手の声にまで聞き耳を立て、しかもそれを「聴いていました」と言わんばかりに(実質言っているのと同義…)会話に入ってこようとするのです。
「いつもお世話になってます!元気?」
「うーん、あんたはそう言うけど、わたしは違うと思うなあ」
「あそこなら知ってるで!教えてあげよか?」
「あ、もう電話切るの?バイバーイ、またね!」
今、自分は電話の向こうの相手と会話しているのに、無視して…さも、最初から会話に参加していたかのように電話している自分の近くにまで寄ってきて、電話の向こうにいる相手に聞こえるように大声で話に割り込みます。
他人の電話を聞いているのが気持ち悪い
まず、何と言っても他人の電話を聞いているのが気持ち悪いです。
自分が相手に話す内容を理解しようと聞いているのも気持ち悪いですし、相手の話すことも聞こうと聞き耳を立てているのも気持ちが悪いです。
聞こえなければ、「なになに、何の話してんの?」と一層寄って来るので、それも激しく気持ちが悪いです。
個人的な電話を聞こうとするのは普通に盗み聞きと変わりません。こちらの人間関係は母には無関係ですので、母に限らず他人でもですが、「お前に聞かせるために電話してんじゃねーよ」と言いたくなります。
「聞いている」ことを申告してくるのが気持ち悪い
とは言え、家の小ささはある程度仕方のないところもあります。(もともと大きな家に住めるなら、こんな小さな家に家族6人がすし詰めになっていません。)
相手の声が大きいこともあります。自分だって、電車やバス、駅などでたまたま居合わせた人の電話が聞こえてしまい、話の内容がわかってしまうこともあります。
なので、気持ち悪いですが、「聞こえてしまう分には」仕方ないかな、と思います。
ですが母の場合、聞いていることを知らせに来るのが気持ち悪い。
こっちで相手と話しているのに、同じ話題で自分の意見を言おうとして来たり、また、上にも書きましたが、聞こえなければ聞こうと寄って来ることもあり、それによって、こちらは「聞かれている」と知ってしまう。
つまり、母は会話に混ざろうとして、「他人の電話を聞いている」ことを自ら表明してしまうのです。
電車や駅などで他人の電話が聞こえてしまったらどうしますか?内容がわかってしまったらどうしますか?
よほどのことがない限り、自分は知らないふりをします。だって自分には関係ないですから。
わざわざ「今の話、聞きましたよ」とか「それは大変な話ですね」とか、声をかけてどうするんですか。例え話の内容が理解できてしまっても、他人の人間関係なんて知ったこっちゃないです。それが、電話をしていた人がひどく具合が悪そうだったり、明らかに様子がおかしいとかならちょっと考えますが、そうでない限りは正直どうでもいい。
それに、わざわざそんな風に声をかけたら、「えっ聴いてたのこの人、気持ち悪っ」て思われるでしょう。自分が逆の立場ならそう感じるからです。
他人の電話が聞こえたりしても、それは他人のコミュニティ内の話なので、「聞いてないふりをしておく」のがいいと思っています。例えそれが親子でも、他人であることに違いはないからです。
でも母にはそれができない。「聴いている」と表明せずにいられない。
これによって、こちらは聴かれていることを意識してしまい、もう自由に話すことはできません。こうして文章にして整理すると、非常に腹が立ちます。
「会話に入って来る」のが気持ち悪い
家に関係する電話ならともかく、個人的な人間関係の上での電話…端末を使っているというだけなので、厳密には会話です。そこにまったく面識もない他人が割り込んで来るなら、フォローしなければならなくなります。
もちろん、本当はフォローせずに無視するのが一番いいです。可能なら距離を取るのがいいと思います。
ですが、わが家のように行き場がない場合であったり、親が大声で電話の相手に呼びかける場合だと、フォローせざるを得ません。
「ごめんね、母がうるさくて」
「気にしないで」「なんでもない」
母が大声でよびかける度にこうしてフォローを入れます。そして割り込もうとする母を適当にあしらう度に、電話の相手にわからないように母に小突かれたり、「なんだその言い方は?こっちがせっかく話してるのに!」と文句を言われます。疲れる。
やがて何度もよびかけるので、気を遣った相手が返してくれたりします。そして、返してくれたことはこちらの反応で母に伝わります。そうなるともう母は歓喜。自分が電話で話しているように話し始めます。
パイプ役になるこっちは、本来したかった話も中断し、母と相手の会話のフォローをすることになってしまい、もううんざり…
どうして他人の電話に割り込むという考えができるのか謎です。今話しているのは電話口にいる人なのに、電話口にいる人同士が話をするために電話をしているはずなのに、まるで理解できません。
親がコミュニティに割り込んで来るのが気持ち悪い
こうやって他人の電話に割り込む行為、まあ、ほとんどの人はやろうと思うことはほぼないと思います。
母も、赤の他人にはさすがにしないですし、家の中でも、我々双子以外にはしようとしません。
こういったところからもわかるように、母の中では我々双子は「割り込んでもいい存在」なのです。何度も出てきますが、我々双子は母にとって、「自分の一部であり、格下の存在」です。格下と思ってなければ、他人の電話に割り込んだり、自分が割り込もうとしたから適当にあしらわれたのに、逆切れして小突いたりできません。
母は我々双子が所属しているコミュニティに、自分も所属しているような気になっています。電話し終わった後のルンルンぷりを見るに、我々双子の友達は実質自分の友達、ぐらいに思っていそうです。
親が子どもの友人関係・コミュニティに入ってきて、自分のコミュニティのように振る舞ったり、子どもの友人を全員把握しようとしたり。
こうなると、子どもはコミュニティ・友人関係すら監視されている状態になります。親の目がなくのびのびと、他人の中で人間関係の構築や、他人と好きなことをできる場所や時間がなくなることになります。
このことから、人間関係に問題があっても都度親が出てくることで解決能力が育たない、なんてことにもなりかねません。
また、自分がしたいと思ったことは、例え親に全く関係ないことでも、すべて親の許可がなければできない、という思い込み…呪縛が植え付けられかねません。
実際、自分は人間関係の構築は難しいです…未だに人との距離の取り方がよくわかっていません。
もし、電話から聞こえてくる話題に興味があったなら、電話が終わってからたずねればいいことだと思います。
「他人(の人間関係)は自分(の人間関係)と違う」ということだけわかっていれば、他人の人間関係にわざわざ介入しようとは思わないのではないでしょうか?
動機予想
母はそうして、子どものコミュニティごと監視し、割り込んでいくことで、子どもを孤立させて、自分に一層依存させたいのではないでしょうか。
子どもが親の知らない人間関係を構築することは親離れ子離れにはつきものですし、精神的自立につながることだと思っています。
しかし、子どもを「自分の一部として、自分に無条件で従い、共感し、なぐさめてくれるべき格下の存在」と思っている親にとって、子どもの自立は阻止すべきものです。
自分の足だけが「おれは他の家で暮らすわ」とか言い出して、腰から上の身体と頭を放置して行ってしまったら、「おいおい、ちょっと待てよ」となりませんか?そういう感覚です。
ついでに、「子どものコミュニティ=自分のコミュニティ」ととらえ、「若い子にちやほやされたい」「若い子の友人がいる自分イケてるって周りに思われたい」というのも、コミュニティに割り込んで来る理由のひとつだと思います。
母もまた、人との距離の取り方がわからず、さらに我々双子に輪をかけて思い込みが激しく、知人はいても友達がいない人だったので、子どものコミュニティに割り込むことで、「むむ/ななの親御さん」という下駄を履き、手っ取り早く簡単に、「文句を言ってこない/言ってきづらい、常に気を遣ってくれる友人」を作りたかったのかも知れません。それが「友人」と呼べるものかは知りませんが。
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