やる気な部下を育てる「叱り方」
上司の大きな仕事の一つに部下を育てることがあります。
立派に仕事をこなす部下を育てるために、時には厳しく叱ることが必要な時も出てきますよね。
叱り方を間違えると部下の仕事のモチベーションを下げ、結果的に離職に繋がってしまうこともあります。
今は「ナニクソ精神」はなんてない
今の40代~50代が若い時にはあった仕事で辛くても「ナニクソー!」と思う気持ち。
上司に厳しく叱られても、根性で乗り切り、他の同期も頑張っているんだからと自分も奮い立たせていたあの頃。
このナニクソ精神を持つ若い世代はほとんどいないと思ってください。
今は良くも悪くもオンリーワンの時代。
自分と他人は状況も立場も違うから比較対象にして仕事を頑張る理由にはなりません。
最近は昔と比べると、職場への気持ちの繋がりが薄い若い世代が多いのです。
簡単に折れてしまう心を揶揄しても離職率はどんどん上がっていってしまう一方。
そのためには部下の正しい叱り方の基本を押さえることが肝心です。
叱り方の基本
①場所とタイミング
その場で叱るのが一番いい。
しかし、頭に血が上りすぎて怒鳴ってしまいそうなときは少し時間を空けるべき。
叱る内容によっては、場所も選ぶ必要がある。
基本はたくさんの人の目に触れるところは避けたほうがいい。たくさんの人前で叱られるのは部下の自尊心を傷つけてしまいかねない。
しかし個室で2人きりというのも相手に威圧感を与えすぎてしまうことも。
②ルールを決める
「ここだけは絶対に妥協しないこと」を明確にするのは大切です。
もし、一番大切なことが守れていないときは一切妥協しない姿勢を普段から見せておいてください。
例えば、工事の現場において「安全」が守られていない状況はすぐに注意をすると決めておき共有しておくのがいいです。
というのは、部下がなぜ自分が厳しく叱られているのかを理解している状況であることが大切。
上司の側も叱る基準がはっきりすることで、厳しく言う度合を調整することができます。
③行動を叱る
ミスや問題につながった「行動」のみに焦点を当てて叱ってあげてください。
どうしても、
「やる気がないからそんなミスをするんだ!」と部下の気持ちを批判したくなります。
しかしそうすると叱られた部下は人格を否定された気分になります。
部下のその時のやる気やモチベーションは実際のところはわからないと思います。
だから主観を入れて叱ることは避けるほうがいいです。
④解決のための行動を引き出す(伝える)
今回のミスや問題の原因から次はどうしたらいいのか、それを一歩的に伝えるのは簡単です。
しかし、それが本人にとって納得しているのか、
一方的に伝えたままだとそもそも本当にミスの原因をしっかり理解していないかもしれないですよね。
そうなると叱った意味が全くなくなり、部下は「叱られた」という負の感情しか残りません。
問題は次につなげてもらうこと。
叱ったあと「じゃあ次からはどうする?」と聞いてみて、部下から改善方法を提示してもらうのが実は手っ取り早い。
それが上司の意図しているもので、OKが出たら部下は自分の考えを受け入れてくれたと、自尊心がアップするという特典までついてきます。
④最後にプラスの感情にさせる
叱った後はこれまでのことをねぎらったり励ましたりして、部下を持ち上げることが大切。
人によっては叱られることに慣れていない人もいる。
叱られることでこれまでの自分もすべて否定されたように感じてしまいます。
エンディングをプラスの感情で締めくくることで、部下のモチベーションは保たれ、改善に向けて前よりも質の高い仕事をしようという意識が生れてきます。
叱るのは体力がいること。せっかくなので効果は最大限にしたいから、やる気にさせる𠮟り方の基本を押さえましょう。