【三浦淳寛観察日記】2020.9.26(土) J1リーグ第19節 ヴィッセル神戸vs北海道コンサドーレ札幌
前回対戦のレビューはこちら
はじめに
散々サボっていた分三浦政権下の神戸の試合はできるだけ感想文を残そうと思い早速執筆をしているのだが、かれこれしているうちにフルマッチの視聴期限が切れていたため、初見時のメモを頼りに内容少なめでお送りする。
スタメン
三浦淳宏氏の思考を覗く
・詳しいところは貼っておいた前回対戦のレビューのリンクから確認していただきたいのだが、札幌のような極端なマンマーク+速攻が持ち味のチームに対して、フィンク前監督はマッチアップ関係の瓦解と撤退守備(及び、ドウグラスの起点創出)で対抗した。
・三浦氏が監督に就任してから行えたトレーニングは僅か2日。何か新しいことを仕込むには時間が全く足りない状況だったため、勝利を収めた前回対戦のゲームプランを大枠で継続するのは正しい選択だったように思う。
・ピボーテ山口ならクリーンな前進は望み薄。手持ちのアタッカーのタイプ,札幌の戦術的特徴を考慮しても、撤退守備とGKからのひっくり返すボール出しで敵陣にドウグラス,古橋の走るスペースを作っておくのは理にかなっている。
神戸のボール保持
・札幌は神戸のボール出しに対し、概ねこのようなマンマーク関係を作りハイプレスを行っていた。
・メリットとしては、2CBに2トップをぶつけることで神戸のクリーンな前進を阻止できること。これは鳥栖戦でも見られた現象で、基本的にCBに運ばせなければ"同じ車両"での前進は不可能となり、どうしても長いボールを選択機会は増える。
・事実、序盤は何度か札幌が敵陣深くでインシデントを起こすことに成功する。2トップの特性的に速い攻めは狙っていた局面の1つのはずなので、何度かのチャンスを決めきれていれば結果は異なっていただろう。
・この試合に関しては前に送ってしまえばマンマークによる守備を相手が志向している為シンプルな質的差異で攻撃が継続できてしまうことが多々あったしなんなら主要な攻め手になっていたが、その後鹿島戦などでも似たような対策が採られ、また三浦監督自体が同じ車両云々のコンセプトを取り入れているかも疑問符が付くため、徐々にボール出しでCBが運ぶプレーは減少していくことになる。
・神戸は唯一フリーになる前川からの前進を探る。オールコートマンツーに対して最も有効なのはGKを使うことだと誰かが言っていたが、ほぼその通りの展開だった。
・もう1つ配置的に札幌を困らせていたのはウイングの開いた位置取り。バックラインの選手はゴールのあるピッチ中央を守るのがフットボールの原則だが、人を捕まえるやり方を志向する場合は札幌のHVがタッチライン際に開く神戸のウイングを放置して守るのは難しい。結果的にWBがある程度の位置まで下がらざるを得ないので、マンマークの大前提は崩れる。
・マンツーマン故に神戸はキムミンテを動かしてさえしまえば勝手に中央には大穴が空く。マーク関係を逆用してドウグラスは普段より広範に動き、スペース創出に奔走。
・2点目はまさにという形。カバーリングが効かない所に2人のウイングを突っ込ませてそのままフィニッシュまで持ち込む。
ボール非保持
・4-1-4-1でセット。札幌ほど極端ではないが、基本的に2列目の選手は対面の選手に突っ込む。カバーリング役として山口をピボーテに置いているので、ある程度の突撃は許容される。
・高い位置からのプレスの際も札幌の駒井,田中の列落ちに対してご丁寧について行くので、俗に言われるピボーテ脇はかなり空く。前半の早い時間帯から見られた現象だったので、あまりオーガナイズできていないなという印象を受ける。
・だが結局のところ前回対戦と同じようにラスト25mは中央さえ閉じていればジェイのいない札幌は得点リソースがなくなる。ミシャ式の性か勝手にHVも前に出てきてくれるので、ポジティブトランジションで開放されたドウグラスと古橋が自由に走り回れる。