砂時計
目覚ましの音が頭に響く。
重たい瞼を無理やり開けた。
痛いほどに刺さる日光を振りほどき、起き上がった。
苦いコーヒーと甘いトーストの匂いが漂う中、
まだ起きてない頭に問いかける。
僕の隣にはまだ少し熱を持った影が
頼りなく、申し訳なさそうにしていた。
あぁそうか、今日は君の方が先だったんだね
幸福は、いきなり空から降ってきた。
手に入れて、大切にしようと決めた瞬間
それは手からこぼれ落ちた。
あわててかきあつめたけど元には戻らなかった。
だが、手の中に少し残った小さな幸福を
また大切に育ててゆきたいと思った。
たくさんの想いを注いで
大きな大きな幸福にしてやろうと思った。