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「KOZUE」

お家で気軽に飲むことを目的に、極力わかりやすくまとめました。
あくまでも一つの店の一つの意見としてお読み下さい。

・中野BC株式会社

KOZUEは、2018年に和歌山県海南市の中野BC株式会社より発売されました。
中野BC株式会社は現在、日本酒、梅酒、焼酎などの酒類の製造と販売、さらに機能性食品や梅加工製品の製造と販売も行っています。

1932年に中野醤油店として創業。
1949年に中野醸造工場を設立し、甲類焼酎「富士白」を発売しました。
この富士白とは、本社所在地である海南市藤白から名付けられました。
後に「和歌山を蒸留する」をコンセプトに、蒸留所の名称にもなります(富士白蒸留所)。
1954年に甘味果実酒、1958年に清酒、1979年に梅酒の製造販売を開始し、現在のスタイルを確立してゆきます。

ジンはベースとなるスピリッツ(蒸留酒)と、香りづけに使用するボタニカル(草根木皮など副材料)の組み合わせによって成り立ちます。
ジンを語るうえではとにかくボタニカルについて、つまり「何で香りをつけたか」が語られます。
この記事の有料部分ではもちろんKOZUEのボタニカルについてたっぷりと書きますが、ここではKOZUEのベーススピリッツについて少し書きたいと思います。

・醸造アルコール

KOZUEのベーススピリッツは醸造アルコールです。
醸造アルコールとは何か。
醸造アルコールとは、主にサトウキビを蒸留してつくられる高濃度アルコールです(アルコール度数45%)。でんぷん質の農作物が原材料になることもあります。
日本では甲類焼酎は連続式蒸留、乙類焼酎は単式蒸留しなければなりませんが、醸造アルコールには蒸留機械の制限はありません。

一般的には、清酒に添加する材料として知られており、また残念ながら「粗悪」というイメージが付きまといます。それは何故でしょう。

酒類への醸造アルコールの添加には、主に2つの理由があります。
1つめは、酒質の安定を図るためです。クリーンで基本的には無味無臭の醸造アルコールを添加することで味のブレ幅が小さくなり、また長期的な保存が可能になるのです。
2つめは、コスト削減です。このコスト削減の観点が、「安物」=「粗悪」というイメージを根づかせてしまったといえます。

戦時中、清酒の原材料である米は不足していきました。嗜好品である清酒の材料として使用することは難しくなっていくなか、比較的安価で入手しやすかったサトウキビ(厳密にいえば、砂糖を精製する際に生じる廃糖蜜)を原材料としてつくられる醸造アルコールを清酒に加えることが多くなりました。
戦時中という時代にあり、技術も今ほどに進歩しておらず、また物資の不足も相まって、質の悪い醸造アルコールを大量に添加した清酒が出回ることになってしまいました。
三倍増醸酒という言葉の解説は割愛しますが、とにかくこのときから高度経済成長期までに出回った粗悪品のイメージが今も残っているのです。

本来はコスト削減、長期的保存、品質の安定など、生産者と消費者の双方にとってメリットのある醸造アルコールなのですが、残念ながら今となっては当てはまらない当時のイメージの回復には至っておりません。

目次
①KOZUEのレシピ
②テイスティングノート
③ジントニック(銘柄の比較&おすすめレシピ)
④その他の飲み方

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