「コエ」
声を
出さなくては
笑った顔は嘘なのだと
本当は嫌なのだと
もう無かったことにする
記憶遊びは終りにしよう
嫌だと叫べ
嫌だと
震えた声でもいい
自分の魂を無視して
この世界に迎合しなくてもいい
それは庇護を失うだろう
裸足で荒野を歩くだろう
それでも
お前はもう大人なのだから
それでも
お前はまだ子供で
苦しんでいるのだから
ふりしぼれ
嫌だと
叫べ
憧れた世界とは違うけれど
あざやかな色彩に
目が眩むだろう
声を
私の声を
思い出せるよう
どうかふりしぼれ
もうこんなことは嫌だと
呟くその声は
絶叫に値する
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