水曜夜の手びねりアップルパイ
先日、近所のスーパーで待望の秋映を手に入れた。そして秋映を買った後に産直で紅玉と出会ってしまう。さらには職場でもらったシナノスイートらしきりんご。りんごが我が家に溢れている。
毎年のことなのに心が踊って仕方がない。なぜならりんごが果物の中でも一、二を争うほどに好きだから。ちなみにいちじくも一、二を争うし、いちごや桃だってー、二を争う。あれもう枠が足りんくなった。とにかく旬の果物が大好きということには変わりない。
正直箱で行くか迷った
慎ましく6玉入りのものを購入した。次の週末は仕事の予定があったのでジャムを炊けないゆえ、箱買いはあきらめた。……悔しい。いつか必ず!
そんなこんなで前述のとおり、ただ今我が家にはりんごが溢れている。作りたいものはたくさんある。そのまま生で食べて知らぬ間になくならないよう気をつけながら、週末に向けてりんご妄想がはかどる限り……ふふふと思っていた。
しかしながら、その週のわたしは気分が落ちていた。なんだかぶくぶくと静かに潜っていくように、心がしんとしていた。テンション上げるまでは行かなくてもいいけど、寄り添うようなあったかくて美味しいものが食べたい。そこで思いついた。
そうだ、手びねりパイを焼こう!
生地を一晩寝かせなくてもいい、それが手びねりパイ。焼き立て熱々を食べられる、それが手びねりパイ。思い立ったが吉日、夕食後すぐキッチンに立ちオーブンを温める。
秋映、君に決めた!
セリフがアレだが、モンスターボールではなく秋映である。数日前に秋映マフィンを焼いてひとつ余ったものを、紙にくるんで冷蔵庫で寝かしておいた。先に買ったものからどんどん消費してかねば。
生地は甘さ控えめレシピで
薄力粉 60g
全粒粉 50g
きび砂糖 25g
塩 ひとつまみ
牛乳 大さじ2
太白ごま油 大さじ2
手びねりパイのレシピを探しても砂糖が入らないタイプが多かったので、控えめに入れてみた。粉の配合はなんとな〜くで。キッシュに似てる。
生地を伸ばして冷蔵庫で寝かしてる間にりんごを薄切りにする。
生地の上にりんごを並べ、優しく包み込む。りんごよ、優しさに包まれながらどんな気分だい。
グラニュー糖をサラサラっとふりかけて、仕上げにバターのかけらをちょんと乗せる。
このバターがいい仕事をする。そんな予感がする。
りんごタルトを作るときはあらかじめバターと砂糖をふってレンジでチンしてから使うけど、今回はそのまま敷き込んで一緒に焼く。
180度で15分、170度で25分、計40分焼く。
バターと焼きリンゴの匂いが漂う
オーブンを開けるといい香り。バターとグラニュー糖のおかげで、りんごのジューシーさが閉じ込められている気がする。生地もパリッと仕上がってそう。
秋映はもとが濃い色なので、加熱してもりんごらしい色を保ってくれるところが私的にポイント高い。
お気に入りの白いプレートへ
ちょっとはみ出しそうだけどセーフ!
りんごのおやつは、白いお皿がよく似合うね。にしてもちょっと不恰好なかたち……まあこれもご愛嬌。
家族4人分に切り分ける
切り分けたら粉砂糖でおめかし。寒い日だったので、あったかい紅茶と一緒に焼き立てを頬張る。うん、なんだか元気の出る味だな、と思った。
生地は甘さ控えめで、全粒粉が香ばしくてりんごとよく合う。焼く際にグラニュー糖をふるので最終的にバランスよく仕上がる。
そんなとある水曜日の夜の話でした
高校生の時に読んだウェブスターの『あしながおじさん』の主人公は、物語の冒頭でこの曜日のことを「憂鬱な水曜日」と言っていたっけなと、ふと思い出す。
なんだかほんの少し気分が乗らない日、やなことがあった日。おやつはいつもわたしに寄り添ってくれる。これからもそういう日はキッチンに立ってオーブンを温めようと思う。気が向いたら。