静かで新しい、瀬戸内の夕暮れ
屋島(香川県高松市)に新しくできた施設「やしまーる」は、緩やかな曲線が1周するガラス張りの回廊。根津美術館のようにガラスの向こうが林だったり、作品を飾っていない豊島美術館のようだったり、どこかで見たような風景を想起させる回廊でした。
「やしまーる」は斬新さに欠けるものの、トリエンナーレの瀬戸内国際芸術祭の関連施設の一つ。かつては観光名所で賑わった屋島に、雑誌がこぞって掲載しそうな建物ができたのです。
SANAAは新香川県立体育館(現在建築中)を設計し、豊島美術館は建築家・西沢立衛(SANAAという表記はされない)とアーティスト・内藤礼による作品。香川県でないけれど岡山県の犬島は建築家・妹島和世(SANAAという表記はされない)とアーティスティックディレクター・長谷川祐子による集落プロジェクトがあります。
瀬戸芸の関連施設として、現代アートの建築物。
総工費が気になるところ。
静かな夕暮れ。聴こえるのはセミと鳥の声、そしておしゃべり。日没と共に始まるプロジェクターの映像は、音楽がないので静か。海と街を見下ろしながら、月を愛でる。新しい夕暮れ時の楽しみ方を知りました。