リキッドファンデの憂鬱
スーツで出社の日とゴミ出しの日
この二つが重なっただけのなんてことない日の朝
これまた二つの事件が起きた
一つ目は、ポンプ式のリキッドファンデーションがポンプごと取れて大惨事寸前事件
頂き物のDiorのリキッドファンデ、こちらポンプ式である
この蓋を取ろうとしたらポンプごと逝ってファンデが床に散った
不幸中の幸いでスーツには飛び散らなかったのと中身が全てこぼれたわけじゃないので、神が私に味方をしたか…。とか思ったけど、そもそもなぜポンプごと逝かれたのか
原因はメチャクチャ自分にあるな。とすぐ察したけど、ちょっと言い訳させてほしい
ファンデと一緒にコンシーラーも頂いたんですが、Diorのやつはどちらもほぼ同じ容器に入ってほぼ同じ蓋がついており、大体同じ見た目をしている
ファンデはポンプ式なので蓋がキャップになってるタイプ、コンシーラーは蓋の先にチップがついてるので回して開けるタイプで、私はファンデの方も蓋を回して取ろうとして「あ?違うじゃん」となったことが既に何回もあった
この無意味に思えた蓋ぐるぐるが、知らず知らずのうちにポンプを緩め、今回の事故に至ったわけだ
もう時間もないし焦った私は床に飛び散った液体を指で取って顔に塗りたくった
一人暮らし、最高‼️
さて、顔面はどうにかなったとして、続いてもう一つの事件勃発
その名もスーツに合うアウター見つからない事件
いつもスーツを着るわけじゃないので、それ用のアウターの準備は前日に済ませていた
何にでも合いそうなのに持ってる服とマジで合わないからぜんぜん着てないチェスターコートくんの出番だ。と思い、クローゼットから出して合いそうなマフラーまで用意していたというのに
いざ身につけてみると、自分で自分が許せないファッションになってしまったので潔く脱いだ
次に手に取ったのはいつも着てる丈短めのダッフルジャケット
これなら無敵だろ、と思ったら丈が短すぎてスーツのジャケットがはみ出る始末
これこんな短かったんだ(笑)と0.1秒で理解し、結局、常に厚い信頼を寄せているダウンジャケットが勝利した
最初からこれでよかったんだぜ。と鏡の前でニコリ
スーツにダウン、私的には全然アリなのだが、スーツにリュックが許せない人には許されない合わせ方だろうな。とは思う
まあ、信仰する宗派が違うだけの話だ
そなたはそなたの国で、わたしはわたしの国で生きよう
そんなこんなで朝から人生をごちゃごちゃしているうちに家を出る時間を3分オーバーしていた
故に、ゴミ出しは叶えられなかった
朝の3分は命取りすぎるので、ゴミ出しに時間を割いた場合でも命を落とす可能性があるのだ
帰宅後、仕事中ずっと気がかりだったファンデの修復作業に取り掛かった
ポンプごと逝ったときにキャップと合体したまま離れなくなったので、この分離にかなり手こずった
両手でノズルを鷲掴みにし、Diorのリキッドファンデを贅沢に浴びながら、熱湯やピンセットを使ったりなんだりしてなんとか修復
ファンデを落とす時に手を洗った水は、排水口に向かう間もほんのりよい香りを漂わせながら下水道に流れていって、なんだか健気に思えた
ごめんね、君たちを円に換算するとどのくらいだったんだろうね?
それにしても
Diorの罠とチェスターコートを着こなせない自分には心底驚愕する
どうやって克服しろと…?
失敗から学ぶ
それしか道はないのだ
おわり