え?
中学生だった頃
国語の授業の一環で川柳を書くことになった
一人一人に小さい色紙が配られ、それに筆ペンで一句したためるというもの
先生から、お題は特にないので自由に書いてよし
また、そろそろ文化祭があるのでせっかくだから何枚か選んで校内に掲示します♪と伝えられた
こういうのってどう評価されるのかわからないけど、とりあえず適当に書くか
まずは、最近あった出来事でも振り返るとする
そうだな、最近は…毎日部活はあるけどそれ以外は…pixivで好きカプを漁り続けているな…部活以上に、頑張っているよな……………!
(pixivとはあらゆる作品の投稿・閲覧が楽しめる「イラストコミュニケーションサービス」である。二次元オタクはみんなpixivに辿り着き、そしてお世話になる。通過儀礼である。)
当時の私は、読んでるものは卑猥でも本人はどうしようもないほどにピュアだったので、とにかく好きなカップル(組み合わせ)のことだけ見つめて生きていた
これぞ本当のストレスフリー
ピュアピュアオタクは、
自分の出来事を書くよりも好きカプの情景を書いた方が早いし解像度も高い
そう思った
そして筆ペンでサラリと一筆
最近読んだ好きカプ漫画の1シーンを川柳で上手に表現
正直、なかなかいい出来だった
自分のことを話すより好きなものを表現する方が遥かに楽だなあ。と、この頃から気づき始める
そしてその後 文化祭の準備に追われ、川柳のことなどすっかり忘れた頃
すれ違いざま、国語の先生に呼び止められた
2マス戻る
ピュア²オタク、密やかに生きることには自信がある故、授業以外で先生に話しかけられると必要以上にドキドキしてしまう習性がある
2マス戻ったショックで声を極小にして「はい…」と応えると、「小宮さんの川柳、校内に飾ることにしたよ」とのこと
え?
「……え?ウフフ」
「なんか不都合あった?」
「いや…」
「あれ、良い川柳だね」
「(え?)」
え?
アレ、飾られるのか
校内に……
え…?
あの日書いた川柳を私はまだ覚えている
生きてたら、こういうこともあるよね。
え?
おわり
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?