記事一覧
【短歌】文明がいつか滅んでも(2019年自選30首)
てりたまを持ち帰りゆく春の道きょうから我もこの町のひと
ガレージで口笛を吹く日曜のなんかそこはかとなくアメリカ
続刊のために空けてる本棚のドーナツの穴にも似たあかるさ
ガスト行こうあんな男はもうやめてあたしと山盛りポテト食べよう
キープってなんだよいつか使うかもしれない伊勢丹の袋かよ
ボールペン売り場の紙のひとびとの嘆きのごときあああああああ
ドロケイのヒーローだった山本をこんな記事で
内見で父がバグった話
私が東京でひとり暮らしをすることについて、賛成してくれたのは父だけだった。
母は真っ向から反対はしなかったものの、私とふたりきりになる度に「友達おらんと寂しいやろ」「〇〇ちゃんも△△ちゃんもみんな地元残るって」という切り口で説得を試みてきた。
私は、「〇〇ちゃんも△△ちゃんもみんな持ってるって言ってもゲームボーイ買ってくれなかったくせに」と反論した。18歳の私は結構クレバーだったのだ。
祖父母
【短歌連作】快速の止まらない町
この町はどうしようもないとこだからめちゃくちゃ甘いケーキが売れる
きみが書く飛ぶという字の筆順が間違っていて逆に飛べそう
父ほどの年齢である非正規の森さんと食うしずかな牛丼
夕立をやり過ごしてるロッテリアでバイトの李さんだけが元気だ
それぞれの神に祈りて糧を食う語学学校の昼餉うつくし
価値なんてわたしが決める 半額の白身フライはけっこう美味い
六限にきみの視線をたどりつつ同じ窓から見た
うたの日まとめ(2018 Spring)
早いもので、うたの日に参加させて頂くようになってからおよそ半年が経ちました。いつも皆さんの短歌に刺激を頂いています。本当に素敵な場に参加させて頂けていること、とても嬉しく思います。
ということで、今回は3月から5月にかけて投稿した歌のうち気に入ったものをまとめてみました。私生活がバタバタしていたり中々短歌モードにならなかったりとちょっとサボり気味な三か月だったので、次の三か月はもっとガンガン詠み
うたの日まとめ(2017-2018 Winter)
2017年12月5日にうたの日デビューしてから約3か月。毎回とっても刺激的で、皆さんの短歌から日々勉強させて頂いています。
12月~2月の短歌のうち、自分で気に入ってるものを自選してみました。
正しさにこだわってしか生きられない わたしは逆上がりができない(2017年12月06日『拘』)
丸善に檸檬を置いてスキップで逃げたいような台風一過(2017年12月07日『オマージュ』)
たましいは