「BatteryNote」のパブリッシングをroom6さんにおまかせすることになりました
Indie Live Expoで発表があったとおり、このたび、72studioの作っているゲーム「BatteryNote」は、「DRINKRIME」と同じくroom6さんにパブリッシングをお任せすることとなりました。
room6さんには、現在進行中の2作を両方ともお任せすることとなり、じつに身の引き締まる思いです。なにとぞ、よろしくお願いいたします。
なぜ2作ともroom6さんにお願いすることになったのか
そもそも、なぜDRINKRIMEに引き続きBatteryNoteまでもroom6さんにお願いすることになったのか。経緯を、時系列順にお話してみたいと思います。
BatteryNote誕生。そしてメインプロジェクトへ…
もともとBatteryNoteは、なんとなく思いついたゲームのアイデアをツイートしたことがきっかけでプロジェクトがスタートしたものでした。
この時点では「あ、なんかコンセプトがウケてるかも?よ〜し、じゃあ1週間くらいでパパッと作ろう!システムはDRINKRIMEで構築したやつがあるから、それを流用すれば、たぶんそのくらいで作れるでしょ」という甘い考えをしていました。あくまでBatteryNoteはサイドプロジェクトとして取り組み、リリースもパブリッシャーさんを経由せずセルフでササっと行って、すぐにメインのDRINKRIMEに戻ろうと考えていたのです。
しかし…サーベリー・ジェシカ・デバインドR7という、愛すべき3体のロボットたちが生まれ、ゲームの中で生き生きと喋りだし、ファンの方にも推していただけるようになり…いつしか私のなかのBatteryNoteに対する想いは、DRINKRIMEに負けずとも劣らない大きさへと成長していました。
それにともない、当初2024年の夏までにはリリースを…と考えていた期日も、徐々に先延ばしになっていく兆しが見えてきました。そして私は気づいたのです。「BatteryNoteは、メイン級のプロジェクトになってしまっている」と。
BatteryNoteの開発を、なるべく早く終わらせなければ…!
BatteryNoteが、それなりの規模のプロジェクトになることがわかった時点で、できるだけ開発に集中して、はやく終わらせる必要があると思いました。しかし、そこで障壁になるものが。…「プロモーション」です。
ゲームを作るうえで、プロモーションは開発と同じくらい、大切なパートだと思っています。せっかくがんばって作ったゲームや、自分のキャラクターたちも、みなさんに認知してもらえなければ、もったいないですからね。
プロモーションにはどういった活動があるかというと、オフラインのゲーム展示イベントへ出展したり、ストア公開などのタイミングでプレスリリースを打ったり、Steamの開催するフェスなどにエントリーしたり…いろいろあります。そういった作業は、一人ですべてやりくりしている副業ゲーム作家の私にとっては、開発の時間がうばわれてしまうものであり、ぶっちゃけるとちょっと面倒なものです。それらの大部分を引き受けてくれるのが、パブリッシャーさんです。
もう一つのメインプロジェクトであるDRINKRIMEは、room6さんにパブリッシングしてもらうことが、2024年の5月時点で確定していました。そのため私は、DRINKRIMEの完成を第一に考えて活動すべきだと自分を律していたつもりだったのですが、あろうことかBatteryNoteがどんどん大きくなっていったことで「このままではマズイ…DRINKRIMEに戻れなくなってしまう!」と焦ったのでした。
兄弟作なら、おとなり同士じゃないと
BatteryNoteは、もともとセルフパブリッシングで行こうと考えていたのですが、先述したとおり開発が長引き始めたため、パブリッシングを代行してもらうことを検討しはじめました。
そして2024年、夏。私はBatteryNoteのパブリッシャーを決めるため、BitSummit Drift、東京ゲームショウ2024 といった大型ゲーム展示イベントの会場に乗り込んでいました。
私がパブリッシャーさんを決めるときの基準のひとつに、「自分のゲームが、そのパブリッシャーさんの他のゲームと並んでイベントで展示されたときに、違和感がないこと」というものがあります。これを現地へ視察しにいくことは、今回の目的の一つでした。
そして、複数のイベントで、いくつかのパブリッシャーさんのブースを見て回った後に、私が思ったことは「うーん、どこもすごく豪華でカッコイイ展示だった!…でも、BatteryNoteを展示するなら、やっぱりDRINKRIMEのとなりがいいなあ。」というものでした。
複数のパブリッシャーさんに別々に作品をお任せしている作家さんは何名か知っていましたし、実を言うと私も、そうしようかどうか迷っていました。むしろ、そうした方が、異なるパブリッシャーさんの内情を知ることができて楽しそう…みたいな下心もありました。
ですが、すでに私の中では、DRINKRIMEとBatteryNoteは兄弟作品のような位置付けになっていました。この2作は同じ場所に展示されていてほしい。そしてできれば、72studioのファンの方々には、どちらかの作品だけではなく、2作ともセットで手にとってもらいたい。…そんなふうに思い始めていました。
それならば、話はシンプルになってきます。…そうです。私は「BatteryNoteも、DRINKRIMEとおなじく、room6さんにお任せすればいいんだ」という結論にいたりました。
決死のパブリッシング交渉
善は急げということで、東京ゲームショウ2024 に参加していた私は、room6さんのブースへと向かいます。ちょうどこの日はDRINKRIMEに関する打ち合わせをする予定が控えていました。
DRINKRIMEに関する打ち合わせが終わり、私は意を決して、担当のIさんに声をかけました。「あ、あの…実は私…ロボットを充電するゲームを、こっそり作っているのですが…」DRINKRIMEの進捗が芳しくないという報告をした直後だというのに、あつかましい相談をしようとしている自分に若干の罪悪感を抱いていた私の声は、すこし震えていたかもしれません。
「…ああ、あのゲームですね」もちろん、担当さんは知っていました。なぜなら、私がSNSでBatteryNoteのことばっかりつぶやいていたからです。
「じ、じつは…このゲームもいっしょにパブリッシングをお任せできないかな…なんて思っておりまして…」
「ああ、わかりました。そうしたら、まさしさんに聞いてみましょうか」
まさしさんは、room6の代表取締役です。おそらく、room6がパブリッシングを担当するタイトルの数々を見極めてきた、曇りなきの審"ゲーム"眼をもつ、プロ中のプロです。なんと言われるだろうか。「DRINKRIMEはよかったけど、BatteryNoteは、ちょっとトガりすぎてるから、どうもねえ…」とか、言われたりしないだろうか。私は、すでに頭の中で断られるシーンを想像しながら、泣きそうになっていました。
そうこうしているうちに、打ち合わせの席に、まさしさんがやってきました。私は、意を決して、声を絞り出しました。
「あ、あの…まさしさん。room6 で BatteryNote のパブリッシングをしていただけませんでしょうか…」
「うん、いいよ」
あまりにスピーディなご回答に、私は座っていた椅子から思わず飛び上がりそうになりました。…ともかく、こうしてBatteryNoteのパブリッシングをroom6さんにお願いすることが内定したのでした。
※ 注意:打合せのシーンの描写は、一部、脚色をしています。実際に発言されたセリフなどと厳密には異なる部分があります。また、実際には、パブリッシングするかどうかの決断が、こんなにスムーズに決まることはないのではないかと思いますが、ゲームを持ち込んでの相談自体は、おそらく歓迎されるハズですので、お悩みの方は、気になっているパブリッシャーさんへ相談しにいってみてもいいかもしれません。
おわりに
…ということで、room6さん。あらためて、72studio の兄弟作である「BatteryNote」ならびに「DRINKRIME」をよろしくおねがいいたします。
また、72studioをフォローしてくださっている皆様におかれましても、引き続き、この2作品が無事にリリースされるよう見守っていただけますと幸いです。
また今後のスケジュールとしましては、BatteryNoteを2025年の前半にリリースし、後半からDRINKRIMEの制作に復帰できるようにがんばっていく所存です。よろしくおねがいいたします。
(おまけ)先輩・後輩コンビの舞台裏
サーベリー「いやぁ〜…センパイ!すみませんねェ…BatteryNoteのリリースが、さきに割り込んじゃって。アハハのハ!」
ジン「…お前さ、本当に申し訳ないって思ってんのか?…思ってねえだろ?」
サ「…えっ?や、やだなあ。ホンキで思ってますってば!…ほらセンパイ、笑って!時代は “ラブ・アンド・ピース” ッスよ!」
ジ「はあ…。あのボテロウとかいうオッサンといい、オレのまわりにはロクなやつがいねえぜ。」
サ「なに言ってるんスか!知らないんスか?オレっち、めちゃくちゃ愛されキャラなんですよ?ほら、ファンアートも…こ〜んなに!フヒヒッ♪」
ジ「…ああ、そりゃ良かったな。…ケッ」
サ「ところで、センパイ!…オレっちのことは “兄弟” って呼んでくれないんスかぁ?なんだかサビしいな〜?ホラ、もうゲームだって兄弟作ってことになってるみたいッスから、いっそのことオレっちたちも、兄弟って設定にしません?いや、ぜったいその方がいいッスよ!ねえアニキぃ!」
ジ「あー、やめろやめろ!アニキとか呼ぶな!そしてオレのまわりをちょこまかと飛びまわるんじゃねえ!」
サ「え〜?アニキじゃダメ?…じゃあ “おにいちゃん” とかどうッスか?これならオレっちのコトが、なんだかカワイく思えてきません?…ねっ、おにいちゃん♡キャピキャピ♡」
ジ「うげっ!?や、やめろ!くっつくな!キモチわりい!!あっちいけェ〜!!」