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いいものは新しいもの?

ものごとにはいろいろな考え方や方法論があります。これまでにもてはやされた理論やメソッドは数知れず。その時々の流行り廃りも相まって、次から次へとタケノコとの如く湧いてきます。

ちょっと前のビジネス書。ちょっと前の自己啓発本。ちょっと前だから早くて半年、遅くとも1~2年くらい(最先端の人にとってはもっと早いのかも)で発表された情報は古くなってしまいます。

登場の仕方や扱われ方がセンセーショナルだからという理由もあるのかもしれませんが、とにかく浮き沈みが激しい。毎月毎月ビジネス書や実用書なんてめちゃくちゃ新刊されます。それだけ研究が毎月毎月進むのだったら、いいかげん終焉が来てもよさそうなのに、決定版は発刊されません。
「決定版!」と銘打っても、また次が出てきます。しかも即座に。

それだけ移り変わりが激しい現代。少し遅れたら時代遅れ。最先端の内容からはおいていかれてしまいます。そうなると困るので、慌ててビジネス書や実用書を買いあさっては読みまくる。

この気持ちってめちゃくちゃ理解できます。私も療法士時代に文献や評論などを読み、勉強しました。医学の理論とか新しい治療方法などです。その時の職場で抄読会というものがあって、月に一回行われていました。療法士のうちの誰か一人が文献を抄読するのです。また次の月は次の誰か、次の月は次の誰か、というように順番で回ってきます。そのときも数年前の文献から引っ張ってきた抄読だと「なんだか信用ならないな」っていう雰囲気でした。

これまでのものを改善すべき点や欠点を洗い出し、修正したものが新しいものとして発表される。ですから新しいものこそ最先端、そんな考えでした。

一事が万事。ビジネス書や実用書の類も同じようなことでして、新しいものは改善されたよいものだろうと思います。しかし、裏を返せば前のものも今のものも真実には到達していないのだな、と。

いつまでも出るはずのない回答を求めているからエンドレスに続いているのではないでしょうか。


私は治療技術や理論が日進月歩で進歩している医学の世界にいました。しかし今は愛光流の整体操法指導者をしています。愛光流の整体って野口晴哉先生からの系譜が流れています。師匠山本清次は岡島瑞徳を師事し、岡島先生の師は野口晴哉先生です。野口先生が作られたものを、岡島先生がまとめ、さらに研究されてきたもの。それを師山本が受け継ぎ、私に伝えてくれました。

○○式治療術とか○○整体法という個人が自分勝手に考えたものではなく、野口先生が作られた整体というその系譜の中にいる。師匠方が大事に育ててきて、代々受け継がれてきた流れの中に自分が存在する。

野口先生が活動されていた時代と今の時代では衛生面や栄養面などで異なる点も多く、時代時代に合わせた考えが必要となる場面もありますが、だからといって私式にはならない。

脈々と受け継がれてきたものだからこそ失ってはいけないですし、多くの方に知って頂きたいと思います。


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愛光流からだと心整体 隅田真人
読んでくださってありがとうございます。とてもうれしいです。