『「瞑想」から「明想」へ 〜真実の自分を発見する旅の終わり~』書籍出版記念講演会⑫
書籍「瞑想」から「明想」へ
師匠山本の著書「瞑想」から「明想」へ。もうお手元にお持ちでしょうか?まだ購入していないという方はぜひ手に取って頂きたく思います。
やっぱり書籍は現物として持ちたいという方向けに。
kindle版はどこへでも持ち歩けて重宝しています。
私は両方購入しました。書籍は現物として持ちたい派なのですが、持ち歩いてカバンの中に入れておくと、書籍の端とかが擦れてしまって劣化がひどくなるのですよね。カバーとかが破れるのもあまり気持ちがいいものでもないですし。
書籍は家でゆっくり読むときのために書庫に置いてあります。それ以外はkindle版で読むことが多いです。
私たちは読んでしまった
「無為自然」という言葉は以前に聞いたことがあったのですが、当時の著者と同じように「何もしない」とか「自然のまま」「ありのまま」というような意味で捉えていました。
「ありのままの自分」「そのままの自分」でいいのだという考え方は一世を風靡し、今もなお根強く信仰なさっている人も多くおられます。私たちはひとりひとりがすでにすばらしいのだから「ありのまま」でいい、「自然なまま」でいいのだと。
確かに私たちひとりひとりは素晴らしい存在であると思います。しかし「ありのまま」でいいのでしょうか?「そのまま」でいいのでしょうか?そんなはずがない。だったら誰も何も学ぼうとはしないでしょう。成長したいなどとは思わないでしょう。でもそうではありません。私たちには日々学び、成長したいという強い強い欲求があります。このことから「ありのまま」を謳いつつ成長を重んじているという矛盾があるように思います。
「やっぱり人間は成長しないといけないな」そう思う気持ちにストップをかけます。老子は「世の中の役に立とうとするな」と言っています。
これはどういうことだろう?人間は成長するのだけれど世の中の役に立ってはいけないという。成長というものと世の中の役に立つというものはイコールではないのだと氣が付きます。
そう考えますと今現代の価値観である企業が成長し、売り上げを上げていって、その結果社会に役に立つという構造は見事に否定されています。「そんなことしなくていい」と老子は言っているのです。そんなことをせずに五郎太石のような存在でいるとタオにつながるあり方がわかる、と。
タオというものがどういったものなのかわからなくても、ここから少なくとも老子は世の中で役に立ったり、世間から評価されることよりもタオにつながることを重要視していることがわかります。
知らなかったらよかったのかもしれませんが、もう私たちはこの文を読んでしまった。読んでしまった以上は世の中で役に立ったり、世間から評価されたりすることよりも大事なものがあることを知ったのです。
これまでの価値基準では社会に貢献したり、売り上げを上げることで多くの人の役に立ったりすることが人間としての大きな目標と思っていました。ほとんどの人がそうでしょう。
お金を稼いで社会的な地位や名誉を得ることよりも大切なものがある。そりゃ家族や友人、愛や絆は大事です。とはいえ、でも、だったじゃないですか。しかしそれとは別の選択肢「タオにつながる」がやってきた。そしてタオはガラガラと崩れ落ちることもない永遠のもののようです。お金や名誉のようにいつか消えてなくなるものではないと書かれています。
若かりし頃の著者も私たちと同じように考えておられたようです。しかし、はじめはそうでも、今ではそうは思っていないのだ。この世の価値よりも大切なものがあると、ここにも書かれています。この世で役に立つとか立たないとかが、その人がダメな人とかではないということも。
そうあるしかないと思うのです
知らなかったらよかったですか?
知った方がよかったですか?
私は知ってよかったと思っています。この世の成果だけが人間の価値であるとするならば私たちは生まれたときからレースをしている。しかもルールが決められた勝ち目のないレースに生まれた瞬間から挑んでいる。レースが終わるときに仮に歓喜でいられたとしても、それは一瞬で消えてなくなるのです。私はそのような一生が悲しいなと思います。
これまでのルールからも解き放たれていいというメッセージのように感じます。だってタオにつながるという別の大きな価値があるのです。そしてタオにつながるヒントは五郎太石でいること。だったら五郎太石でいるしかない。五郎太石のように生きてみればいいのだ。
そのように体験し体感することが、読んでしまった私たちの態度ではないかと思うのです。
というわけで
深い言葉は書かれている通りにまず読むのが正しいと思います。そして書かれている通りに在ること。
今回の「瞑想」から「明想」へ の読み方のひとつとして提案させていただきました。
これは私たち弟子が師匠の出版記念講演会を開きたい!と願い、模索していく物語です。
これからも更新して行きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
これまでのシリーズをマガジンでまとめています。無料でこちらもお読みいただくことができます。
読んでくださってありがとうございます。とてもうれしいです。