面白いことを探そう
何か面白いことない?
顔を合わせると第一声がこの言葉の知り合いがいる。
糖尿病だし、そのせいでカメラマンなのに視力が落ちてしまったし、他の臓器も悪くしてしまった人。
私だったら不安になってしまう。
でも必ず“何か面白いことない?”と言って微笑む。
もう何年も前からそういう会話をしているうちに、私自身もちょっと前向きな気持ちになれる気がしてきた。
そして、自分でも何か面白いことはないか、何か面白い物はないか、探すようになっていた。
そのうちに気づいた事がある。
何か面白いことと言うのは、決して面白おかしく生きようとする事と同じではないと言うこと。
興味を持って物事を見ないと面白くない。
それは楽しいことばかりではなく、自分にとって苦手な事もあるし、本当は避けて通れるものなら、逃げたい事もある。
それでもしっかりと向き合うことで、興味がわき、思いもかけなかったのに、面白くなったりする。
自分から何もしようとしなければ、面白い物はみつけられない。
何かすれば必ず面白いわけでもなく、傷付いて痛みを覚える事だってある。
辛くなる事もある。
でも傷付く事を恐れていたら何も得られないかもしれない。
辛い思いをしたからこそ、面白さも、喜びもひとしお、感動も大きい。
そのためには、好奇心と立ち向かおうとする勇気を持たないと進めない。
前だけでない。
横にだって進めない。
”何か面白いことない?“といつも微笑んでいるあの人は、本当にたくさんの苦しみや、不安、裏切り、辛さを乗り越えて来たのだろう。
だからこそ、人を引き付ける魅力がにじみ出ているのだ。
何か面白いものを探して生きよう。
いつしか私にとって大切なことになった。