マスクを外して表情を交わし合う世の中こそが、まともなんじゃないか
世の中にマスクを外したくない人が3割いるらしい。
それなら7割の人はマスクを堂々と外して、その笑顔を見せて欲しい。
スッキリとした表情や、楽しげな微笑み、時には辛い姿を。
そのうちに残り3割の人も、少しづつ減っていくのではないかな?
マスクに弊害はない!っていう人がいる。
仕事柄マスクしていた人だっている!とか、じゃあ子供に酸素を吸わせたら頭がよくなるのか、なぁんて言う人も。
まぁそれはその人の意見です。
私は医療関係者だったので(現在は休職中だから、厳密には過去形ではないですね)この状況になって、真っ先にマスク必需になった仕事です。
もちろん結核病棟に出入りする時には、常にN95マスクをしなければいけませんでした。
当然です。
仕事ですから。
2020年春になってから、一応敷地内ではきちんとマスクをしていました。
敷地から出たらもちろん外します。
そのうちに転勤により、都心部に通うことになり、満員電車のなかでは隅っこで下をむいてじっとしていました。
マスクをしていないことで、他人を不安にさせないように、いつだって気を遣っていました。
そうやって仕事場以外では極力マスクを避けていました。
だって、普通は仕事柄マスクをしている人も、仕事を終えたらマスクは外してましたからね。
当たり前でしょ。
前職だって検査所だったので、仕事とマスクは切り離せないものでした。
それだって仕事中はマスクはしていたんですよ。
出来ていたんです。
世の中にマスクが蔓延し、人の表情がわからなくなり、何故かわからない不安が募り始めました。
ある朝マスクを顎に下げていた女性の口紅の鮮やかさにハッとしたのです。
あぁ、世の中から笑顔が消えてしまっているのだ。
目だけでは相手には伝わらないのだ。
その日から段々と、仕事中でもマスクをし続けていられなくなってしまいました。
不安が増してどうしようもない、部屋の隅の棚の前で整理をしながらマスクを外す。
その時間がないと1日持たない。
日を追う毎にマスクを連続して付けていられる時間が短くなり、ある日めまいで倒れ入院となりました。
翌日多少無理して退院したものの、それからはめまいも頻発し始め、とうとうマスク姿に囲まれた出勤中に、過呼吸の発作も起きてしまいました。
何とか対応したものの、もう限界を越えていました。
今度はいつあのめまいに襲われて、一歩たりとも動けなくなるかわからない。
また皆に心配や迷惑をかける。
家族に迎えに来て貰わなければ帰宅も出来ず、入院することになる。
出勤すること、マスクをしている人を見ることさえ怖くなりました。
心療内科に初めて行くときにも、初めて会う人がマスクをしていると思うと、手足が冷たくなりました。
マスクぐらいすればいいじゃん。
人は割と簡単にそう言います。
マナーなんだから、マスクしとけば問題にならないんだよと。
そのマスクに囲まれてボロボロになった人もいるのですよ。
かなり回復した今でも、まだマスクをしている多くの人を見るのは不安になるし、テレビなどでマスクをしてる姿を見ていても安心した気持ちにはなれません。
社会復帰にまだ勇気がでないのです。
だからって“マスクなんて意味のない悪の根元だ!”なんて言うつもりはありません。
逆に怖くてマスクが外せないんだって人もいるんでしょう。
それもちゃんと理解はできます。
何となくしておけばいいやって思ってる人や、外したいけど人目がなぁっていう7割の人達。
どうかマスクを外しましょう。
スッキリしますよ。
相手が見えるって、とても安心するものです。
嬉しそうな人からは微笑みをもらえるし、辛そうな人には思いやる事も出来るのです。
人間として基本的だけど、とても素晴らしいことだと私は思います。
それを忘れた世の中は、やっぱり落ち着けない、安心できない歪んだ物だとおもうのです。