脳から消えた姉の話、その5
✳︎ネグレクトされた夏
市営住宅に引っ越した時は小学6年生の夏休みだった。市内だけど学区が違うので私も小学校を,姉は中学校を転校しなければならなかった。今思えば、あの夏休みだけが、周りに知り合いのいないあの夏休みだけ、姉が私のことを気にしてくれた気がする。
母がどうしても仕事で一泊のお出かけをするので、お姉ちゃんと2人でこの部屋から出ずにお利口にしていて待っていて欲しい。どうしても子どもは連れて行けれないからと。
お姉ちゃんがいいならお姉ちゃんと一緒に待つと私は答えたの